50歳の女性ジャーナリストが世界一周旅行の途中で立ち寄ったモロッコのシャウエン。美しい青い街並みで知られるこの地で、親日家の多い街ならではの「打算まみれ」のプロポーズを受けた体験を綴る。
ホテルサクラでの滞在
筆者が宿泊したのは「Hotel Sakura(ホテルサクラ)」。日本に関係ありそうな名前のこの宿を3泊予約したのには理由がある。仕事をしながら旅をしていた筆者は、突発的な案件が入り、時差も手伝って深夜に電話やメッセージが次々と届く状況だった。しかし、モロッコの宿はデスクや椅子がなかったり、砂漠のテントだったりと仕事ができる環境になく、大都市のマクドナルドに駆け込んで作業していた。
シャウエンで落ち着いて仕事できる宿を探して見つけたのが「サクラ」だった。設備自体は他の宿と変わらないが、スタッフが日本通であることは明白だったため、何か困ったときに相談しやすいと考えたのだ。
青い世界に広がるリヤド
日本風の名前とは裏腹に、内装はスタッフのこだわりが詰まった「リヤド(モロッコの伝統的な邸宅ホテル)」スタイルだった。部屋の中も、窓から見える景色も、おとぎ話のような青い世界が広がっている。
PCを広げたらSNS映えしそうだなと考えていると、部屋のドアがノックされた。声の主はセラールだった。「日が沈む前に散歩に行きましょう」と誘われ、「金曜日はイスラム教にとって重要な日で、私はモスクへ礼拝に行きます。夕日がきれいだから、あなたも一緒に行きましょう」と言われ、お供することにした。
自由すぎるモロッコ人ガイド
彼は国家資格を持つツアーガイドで、以前は日本でも観光関連の仕事をしていたという。今はモロッコで日本語、英語、アラビア語、フランス語を操ってガイドをしているそうだ。今回も直前までトルコ人グループを案内していたが、疲れたため仲間に後を託し、途中で抜けてシャウエンに寄り道したらしい。それだけで、自由すぎるモロッコ人の断片が見えてくる。



