大阪のコテコテ文化・吉本新喜劇。猛獣ばかりの集団かと思いきや、全身から〝癒やしオーラ〟を発する座員がいます。彼女の名前は川本眞優(まゆ)。昨年4月に入団した若手座員です。
白いお肌に心地の良い声。丁寧な言葉遣いに穏やかな表情が印象的な彼女ですが、その歩みを聞くと、「小学校2年生から中学卒業まで学校に行っていなかったんです」。「集団行動が合わなかったみたいで。だから私、掛け算とか割り算は現在もほとんどできないんです。でも、こうやって生きています!」とあっけらかんと笑います。
不登校の日々と両親の支え
学校に行けない期間も、両親は彼女をあせらすことなく、絵や音楽、舞台などに触れる機会をたくさんくれたそうです。「『みんなと同じ』じゃない方法で私を育ててくれたことにすごく感謝しています」と振り返ります。
理解のある両親の下、彼女が興味を持ったのは演じることでした。演劇がカリキュラムに組み込まれている高校に進学すると、その3年間は学校に通えて友達もできたそうです。
転機は文学座の最終オーディション落選
高校卒業後は演劇の専門学校で学び、オーディションを受け続ける日々が始まりました。転機は日本を代表する劇団の一つ、文学座の最終オーディションに落ちてしまった帰り道でのことです。「父から新喜劇のオーディション情報が送られてきたんです。新喜劇は大好きだったので、受けてみようと思いました」
集団行動が苦手だった彼女はそして、約130人が在籍する新喜劇の座員になりました。「最初はなじめるのか怖かった。でも、先輩方は優しいし、頑張っていたら見ていてくれる人がいました。こんなに温かい場所があるんやなって」とほほ笑みます。
目標は「笑いの後に芝居で締める座員」
芸人ライターで吉本新喜劇座員の吉岡友見が伝えたところによると、川本は「笑いで柔らかい空気になった後に、グッとお芝居で締められる座員になりたい。川本にここは任せる、と必要とされるようになりたいです」と目標を語った。その柔らかくも芯のあるお芝居にぜひ注目してください。



