俳優の堤真一と、WEST.の濱田崇裕(※濱は異体字)が、舞台『グレンギャリー・グレンロス』でダブル主演を務めることが発表された。本作は、Bunkamura Production 2026/DISCOVER WORLD THEATRE vol.17として、11月6日から東京・IMM THEATER、12月5日から大阪・森ノ宮ピロティホールで順次上演される。
世界的名作の背景
『グレンギャリー・グレンロス』は、1983年にアメリカを代表する劇作家デヴィッド・マメットによって書かれた戯曲。同年イギリスで初演され、ウエスト・エンド演劇協会賞を受賞。翌84年にはシカゴとブロードウェイで上演され、ピューリッツァー賞を受賞した。1992年にはアル・パチーノ、ジャック・レモン、ケビン・スペイシー主演で映画化(邦題『摩天楼を夢みて』)され、高い評価を得ている。
シカゴを舞台に、アメリカンドリームを夢見て不動産業界で競い合う男たちの顧客争奪戦と人間ドラマを描く。資本主義社会のひずみを浮き彫りにし、時代や国を超えて共感を呼ぶテーマが現代の観客も引きつける。
演出家とキャスト
演出は、ロンドン・ウェストエンドなどでキャリアを積み、2017年にヘッドロング、2023年にシアターロイヤルプリマスのアソシエイトディレクターに任命されたジョン・ハイダー氏。本作が日本での演出デビューとなる。
堤真一は、かつて成功したが今は落ち目で必死に売上を追う中年営業マン、シェリー・レヴィーン役を演じる。堤はDWTシリーズ7作目の出演で、海外演出家とのコラボレーションでも定評がある。濱田崇裕は、頭の回転が速く巧みな話術で契約をものにするやり手の不動産セールスマン、リチャード・ローマ役。WEST.のメンバーとして活躍し、舞台・ドラマ・バラエティと幅広く活動する。2人は今作で初共演を果たす。
共演には、鈴木浩介、前川泰之、岩瀬亮、小松和重、池内博之という実力派キャストがそろう。鈴木はシリアスからコミカルまで自在に演じ分け、前川はモデル経験を生かした深みある演技、岩瀬は自然体でリアリティをもたらす。小松はサモ・アリナンズの座長を務め、池内は海外作品でも活躍している。
出演者・演出家コメント
堤真一「リズムとテンポが必要な会話劇です。不動産を売る男たちの会話の応酬だけで、物語にグイグイと引き込まれます。僕の役は映画版でジャック・レモンが演じた、落ちぶれたセールスマン。初めてご一緒するジョン・ハイダーさんがどんなアプローチをされる方かはわかりませんが、イギリスの演出家は最初から『正解』のイメージを提示するよりも、『このメンバーで何ができるか』を一緒に考えていく方が多い印象があります。このシリーズでご一緒したジョナサン・マンビィさんも、リンゼイ・ポズナーさんもそうでした。思考がどんどん飛んでいくような『営業用の話術』を身につけると共に、かつての栄光を語る男の悲哀に近づけたらと思います」
濱田崇裕「いつか絶対に共演したいと思っていた堤真一さんとご一緒できることがまずスーパーハッピーです!海外の演出家の方に演出していただくのは2回目ですが、前回がすごく楽しい経験だったので、今回もどんな方なのか楽しみにしています。僕が演じるローマはやり手で頭の回転も速い『デキる男』。どういう生活をしてきたのか、人間を掘っていくように稽古を積めたらと思います。映画版で演じていたアル・パチーノの色気がすごくて、あの風格を僕が出せるのか?と思いながらも、気がついたら面白すぎて見入っていました。何度も観たくなるような芝居にしたいですし、『この人から物件を買ってみたい』と思わせるような男たちになればと思っています」
ジョン・ハイダー氏(演出)「私にとって、この『グレンギャリー・グレンロス』は、書かれた当時にもそして現代にも力強く語りかける戯曲です。もちろんこの作品のテーマは、1980年代初頭、劇作家自身が不誠実な不動産会社でアシスタントマネージャーとして働いた経験をもとに生まれたもので、その時代や場所と深く結びついています。しかし同時に、仕事に人生を支配されるような極端なワークライフバランスの崩れという、現代の大都市─、シカゴから東京、そしてその間にあるあらゆる都市に共通する現実とも強く響き合っているのです。マメットが描く登場人物たちは皆、それぞれよりよい未来へ向かうために『抜け出す道』を探しているように思えます。その道を見つけられるかどうかは本人次第で、実際には多くの人物が最後まで見つけられないのかもしれません。それでもなお、そのもがき続ける姿は実に人間的です。彼らの姿を追ううちに、私たちは否応なく、自分自身や自分の振る舞いをそこに見出すことになるのではないでしょうか。そうした瞬間にこそ、この作品が観客の皆さんとの対話となることを願っています。劇場を後にしたあとも、『もし自分だったらどうしただろう』と問い続けてもらえたら嬉しく思います。そして、マメットは『Always Be Closing(常に契約を決めろ)』という言葉で描いていますが、『成功』とは、本当は何を意味するのかを考えるきっかけになればと願っています」
公演情報
公演は、11月6日〜30日に東京・IMM THEATER、12月5日〜11日に大阪・森ノ宮ピロティホールにて上演される。



