浪曲で「陰陽師」に挑む
「道満が登場することで晴明の新たな側面が見えてくる」――天中軒すみれさんは今回の演目についてこう語る。平安時代を舞台にした夢枕獏さんの小説『陰陽師』シリーズを浪曲で表現する試みで、8月11日に大阪・新世界のZAZAHOUSEで公演を行う。
神奈川県出身のすみれさんは、2018年に天中軒雲月さんへ入門。東京を拠点に活動するかたわら、大阪の一心寺門前浪曲寄席にも出演している。
安倍晴明と蘆屋道満が登場
『陰陽師』は、安倍晴明が親友の源博雅と京の都で起きる怪異に立ち向かう物語。浪曲の台本は作家の杉江松恋さんが小説をもとに書き、すみれさんが手を加えた。世界観を演出するため、白い狩衣をまとい、演台を使わずに全身の動きを見せながら語る。
今回の演目は、道満が初めて登場する『迷神』と『打臥の巫女』の2本。道満は実力では晴明に匹敵しながら、術を悪事にも使うアウトローだ。「強さや貫禄、アウトローな人物像を表現できるよう、小説から必要なエッセンスを探し、試行錯誤している」とすみれさん。また、「文章から感じるにおい、色、形などの景色が浪曲の語りによってさらに立ち上がるように表現したい」と意気込む。
音の世界を浪曲で
原作には笛や牛車の音など多彩な音の表現が登場する。「音楽的要素を含む語り芸である浪曲でやることに意義がある」とすみれさん。「陰陽師シリーズには他にも浪曲にしたい話がある。練り上げて成長させていきたい」と話す。
大阪公演は8月11日午後0時30分、新世界ZAZAHOUSEで開演。曲師は広沢美舟さん、雅楽の龍笛奏者の〆野護元さんも出演する。問い合わせは電話090-4126-5941。



