ヨシタケシンスケ『にげてさがして』生きづらい心を救う絵本 福山暁の星女子中高・吉岡さん
ヨシタケ『にげてさがして』生きづらい心救う絵本

福山暁の星女子中学・高校の司書、吉岡史恵さんが、ヨシタケシンスケ著『にげてさがして』(ポプラ社)を紹介する。絵本は幼い子ども向けと思われがちだが、この作品は小学生以下にはピンとこないかもしれない。中高生や大人が人間関係に悩み、生きづらさを感じたときに読むと心に響くという。

逃げることは恥ずかしくないと説く

世の中にはさまざまな人がいる。嫌なことをされたら逃げていいし、それは恥ずかしいことではないと著者は言う。そして、逃げた後にどうすればいいかという問いにも答えている。

吉岡さんは以前の勤務先でこの絵本がなくなった経験を語る。くまなく捜しても見つからず、誰かが持ち出して返さなかったのだとしたら、読みたくても借りる勇気がなかったのか、読み終えた後も手元に置いておきたかったのか――。真意は今もわからないという。

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生きづらさを抱える人に寄り添う

生きづらさを抱えると、知ってほしいのに言葉でうまく伝えられない人もいれば、内緒にしたいからと周囲の前で元気を装う人もいる。この絵本はそんな人たちに寄り添ってくれるだろう。持ち出して返さなかった人にも救いになったのではと吉岡さんは考えている。

著者の作品は「哲学絵本」と呼ばれ、海外でも賞を獲得するなど高く評価されている。見る人の心をほっこりとさせる絵に添えられた文章は、平易な言葉で深い内容をつづっている。シチュエーションの面白さにくすっと笑いながら、いつしか自分に重ね合わせて考えさせられる。

社会に出たとき再び開いてほしい

社会に出ると、学生時代との違いや新たな人間関係に悩むかもしれない。そんなとき、再びこの絵本を開いてほしい。きっと心の支えになってくれるはずだと吉岡さんは話す。

同校は蔵書数約5万冊を誇り、漫画をとっかかりに専門書を紹介したり、飲食可能な「リフレッシュルーム」を設けたりと、図書館へといざなう工夫を凝らしている。来年3月には校内初の書評合戦「ビブリオバトル」の開催を予定している。

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