産経新聞の校閲担当者が、原稿中の「太平洋島しょ国」という表記を検討する過程で、誤って「太平洋島諸国」と指摘しそうになった経験を紹介している。紙面では原則的に漢字とひらがなの交ぜ書きをしないことになっており、担当者はこの表記を「直し漏れ」と判断。しかし、よく調べると正しい表記は「太平洋・島嶼(とうしょ)国」であり、「島諸国」では意味が変わってしまうという。
「太平洋島しょ国」の正体
太平洋・島サミットは3年ごとに日本で行われ、来年は横浜での開催が決まっている。クック諸島、マーシャル諸島、ソロモン諸島と、参加国の名前そのものから島国であることが分かる。
担当者は「太平洋島しょ国」という文字を見て、まず交ぜ書きを解消しようと考えた。「子どもは子供と書き、まが玉は勾玉と書いてルビで『まがたま』と付ける」という紙面のルールに従い、「太平洋島諸国」に直そうとしたのだ。
「島」が余分な理由
しかし、口の中で「たいへいよう・とうしょこく」と区切ると、正解は「太平洋・島嶼国」であることに気付いた。嶼は「小さい島」という意味の漢字で、一般的ではないため「島しょ」と表記されることも多い。
「太平洋島諸国」は「太平洋・島・諸国」となり、島の字が余分になる。「太平洋諸国」「太平洋諸島」なら問題なかったが、一文字の違いで意味が変わってしまう。
担当者は「一文字もおろそかにせず読み込むということの大切さを再認識させられた一件だった」と振り返る。



