脚本家の伊藤和典さんが、アニメ『機動警察パトレイバー』の30年後を描く小説を発表した。舞台は熱海の寿司屋で、元隊員たちの人生をつづる。「正統な続編ではなく、脚本家本人による二次創作です」と快活に笑う。
『パトレイバー』30年後の物語
伊藤さんは、押井守監督らと制作した『パトレイバー』について、「自分も含めてみんな若くて、僕にとっては『遅れてきた青春』みたいな存在だった」と懐かしむ。今作は元隊長の後藤喜一が熱海で営む小さな寿司屋を舞台に、常連客の軽妙なかけあいや、主人公の野明をはじめ、店を訪れた元隊員たちが歩んだ人生がつづられる。「彼らには幸せになっていてほしいという思いがあった」と明かす。
脚本家としての歩み
山形県出身で、映画館を経営する家に育った伊藤さんは、「映画を見ることは、普通の子どもにとってはイベントだけど、僕にとっては日常だった」と振り返る。早稲田大に入学し、当初は映画監督を目指したが、「朝が駄目」で、自身のペースで仕事ができる脚本家にかじを切った。1982年に『うる星やつら』で脚本家デビュー。思い入れのあるアニメとして『魔法の天使クリィミーマミ』を挙げ、「初のオリジナル作品で、魔法が決して便利ではないことを示した」と語る。
脚本作りの秘訣
脚本作りの秘訣は、サブキャラクターも含めて血肉を通わせること。「それは今回の小説でも発揮できたかな」と、日差しを浴びながら満足そうに語った。小説は文芸春秋から1980円で刊行されている。



