伝説の修験者「赤鬼法性院」の骨は実在 愛媛・久万高原町で祭祀
伝説の修験者「赤鬼法性院」の骨は実在 愛媛

愛媛県久万高原町に伝わる民話「赤鬼法性院」の骨が実在することが、町の調査で明らかになった。江戸時代の成人男性のものと判明し、地域住民は毎年7月10日、石墨山の岩陰で祭祀を続けている。

伝説の修験者

昔々、石墨山の麓に「赤鬼法性院」という修験者がいた。怪力の大男で、大蛇を退治したり、山崩れの石を一人で受け止めて集落を守った。晩年は山の岩陰で断食の行に入り、即身仏となったとされる。

この伝説が民話だけではないと分かったのは、町内の遺跡調査で訪れた研究者に、大原五月さん(91)が「山の中にミイラがある」と話したことがきっかけだった。町は2016年から岩陰の骨を調査し、2017年の科学的分析で江戸時代の成人男性(推定身長157センチ)の骨と判明した。

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岩陰の祭祀

石墨山の岩陰(高さ30メートル以上の岩壁のくぼみ)に骨は安置されている。以前はほこらに置かれていたが、現在は拝殿に移されている。祭祀は年2回から40年ほど前から毎年7月10日の1回のみとなり、約1時間、地域住民が経文を唱え、「また来年もご縁をくださいませ」と祈る。

「法性院の骨に触れると雨が降る」と伝わるが、今年7月10日は快晴だったという。

伝承を未来へ

大原さんは小学4年の頃に祖父から法性院の話を聞き、1961年に地元紙の昔話募集に投稿。その投稿が本になり、県内で広く知られるようになった。町の調査後、保存会が冊子を作り、小中学校にも配布。大原さんは「地元に夢みたいな話が残っている。新しい世代にも残してほしい」と語る。

地区の自治会長・小長谷勝也さん(63)は山道や案内板の整備を考え、「石墨山やお堂に興味を持って登る人が増えてほしい」と期待。文化財指定を望む声もある。

町教育委員会の遠部慎学芸員(50)は「この祭事は地域の多様な要素で構成され、昔の人と対話できる。町内でも珍しい習俗」と話す。

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