全国屈指の規模で戦争遺跡が残る兵庫県加西市の鶉野(うずらの)飛行場跡研究の先駆者、上谷昭夫さん(87)が収集した資料で構成する夏季企画展「鶉野の記憶を紡いで」が、同市の戦史資料展示施設「soraかさい」で開かれている。23日まで。
30年以上の調査と約7000点の資料寄贈
上谷さんは平成5年、職場の近くにあった鶉野飛行場跡の調査研究を開始。以後30年以上にわたり、姫路海軍航空隊や川西航空機姫路製作所など飛行場に関わる施設や人物についての現地調査や資料収集を続けてきた。こうして得られた文書や書籍など約7000点の資料を市に寄贈した。
市は整理の終了を機に、初めての本格的な寄贈資料展示を企画。施設や航空機を撮影した当時の写真、関係者から上谷さんに寄せられた手紙など約30点を厳選し、防衛研究所戦史研究センターや米国立公文書館の所蔵資料と合わせて展示している。
終戦時の寄せ書きが展示品に
展示品の一つに、終戦時の姫路海軍航空隊で敗戦処理作業に従事した人たちの寄せ書きがある。鶉野に残っていた戦闘機を占領軍が接収するため横須賀へ移送する業務に当たった士官らが、鶉野での滞在先にお礼として書いたものだという。
「滞在先の家の方が『こんな資料がある』と託してくれた。これらを基に、戦闘機の移送日程などが確認できた」と上谷さん。これまでの道のりを振り返り、「当事者が多く生存していた時代に調査できてよかった。今ではもう聞けない話ばかりだ」と述べた。
資料を管理する市は「収集してくださった過去の資料も貴重だが、関係者と交流する中で得られた生の声なども、鶉野飛行場の史実を語る上できわめて重要」と評価している。
入館料200円(中学生以下無料)。問い合わせは同施設(0790・49・8100)。



