ゴッホの生家で日本の子どもの絵初展示、22点がズンデルトに
ゴッホ生家で日本の子どもの絵初展示、22点

オランダの画家ビンセント・ファン・ゴッホ(1853~90年)の生家で、日本の子どもたちの絵が初めて展示されることになった。美術ファンらでつくる団体「みらいのゴッホをさがせ!」(東京都千代田区)が手弁当で企画した公募展の優秀作品22点が並ぶ。アートを通して、日本文化に憧れたゴッホと子どもたちの“交流”が実現する。

ゴッホの生家で異例の子ども絵画展

生家はオランダ南部のズンデルトにあり、文化施設として活用されている。美術展やイベントが行われるが、子どもの絵が飾られるのは異例という。12~26日に両国の交流を題材にした展覧会の一環で紹介される。

公募展は2022年に東京都内で始まり、今年で5回目。代表の笹島久子さん(81)とディレクターの寺田琴美さん(50)は元々、各地の美術展を訪ねる友人同士だった。笹島さんは教育や景観づくりの活動を続け、寺田さんは文化庁職員として文化行政に携わっていた。21年、保育士だった笹島さんの長女(当時39歳)が病気で亡くなり、気力を喪失した笹島さんを励まそうと寺田さんが子どもの絵画展を開くことを提案した。

Pickt横長バナー — Telegram用の共同買い物リストアプリ

長女の遺志を継ぐプロジェクト

「娘さんは子どもが大好きで、保育園をつくるのが夢だった。アートを通して子どもたちの幸せを考えることは、遺志を継ぐことになる」と寺田さん。笹島さんは「もう楽しいことはないと思っていたので、子どもたちが喜ぶ顔を見て希望を見いだせた」と話す。

団体名にゴッホの名を入れたのは、「夢と自由を大切にしてほしい」と子どもに伝えたいからだ。ゴッホは生前、絵がほとんど売れなかったが、自らの絵画表現を追求し、今や世界中で親しまれている。浮世絵などをこよなく愛し、日本とのつながりも深い。

公募展の概要と選考過程

公募展は小中学生が対象で、自治体の助成や企業の協賛を受けて実施。寺田さんらは団体の設立当初から「国際芸術交流」を掲げ、ゴッホの生家のロン・ディエヘン館長に掛け合ってきた。25年には公募展に招き、作品を見たディエヘン館長は「ビンセントに対する深い愛情が感じられ、色遣いの美しさに感動した。日本の子どもたちの可能性と経験が広がってほしい」と展示を快諾した。

今年のテーマは「ゴッホと日本」で、全国から177点の応募があった。6月の選考会には団体のメンバーのほか、ディエヘン館長らがオンラインで参加。ゴッホの代表作の一つ「星月夜」を思わせる色調とタッチで東京駅を描いた風景画や、葛飾北斎の浮世絵をモチーフにした海の景色にゴッホを登場させた絵など力作がそろった。

関係者の思い

寺田さんは「日本の子どもたちの才能を海外で知ってもらえるのがうれしい」と話し、笹島さんは「ゴッホは紆余曲折の人生だった。何があっても前へ進んでいけると、私自身が教えてもらった。これからも子どもたちと挑戦を続けたい」と笑顔を見せた。

Pickt記事後バナー — 家族イラスト付きの共同買い物リストアプリ