アメリカの大富豪ロックフェラー家が収集した浮世絵コレクションを紹介する企画展「ロックフェラー・コレクション 花鳥版画展 北斎、広重を中心に」が、津市の三重県立美術館で開かれている。葛飾北斎や歌川広重ら江戸時代の浮世絵師による、色鮮やかな花や鳥を描いた作品が並ぶ。会期は26日まで。
アビー・ロックフェラーが約20年かけて収集
このコレクションは、ニューヨーク近代美術館(MoMA)の設立に尽力したアビー・オルドリッチ・ロックフェラーが、来日時などを機に約20年かけて集めたもの。約700点の浮世絵の中から、今回は花鳥版画を中心に163点を厳選して展示している。
若冲「雌雄鶏図」は現存唯一の作品
注目は、江戸時代中期の絵師・伊藤若冲の「雌雄鶏図(しゆうにわとりず)」。現存が確認されているのはこの1点のみで、黒い背景にユーモラスな表情で描かれた2羽の鶏が愛らしい。また、うちわの骨に貼りつけて使われた「団扇絵(うちわえ)」も展示。葛飾北斎の「露草に鶏」は、青い背景に深い藍色の露草を配し、手前の色彩豊かな鶏が際立つ。消耗品のため現存例が少なく、保存状態の良い作品は珍しいという。
ギャラリートークや料金情報
担当の村上敬学芸員は「実物でしか味わえない作品の質感や色味を楽しんでほしい」と話す。18日には学芸員によるギャラリートークが行われる。開館時間は午前9時半から午後5時(入館は午後4時半まで)。観覧料は一般1200円、学生1000円、高校生以下無料。問い合わせは同館(059・227・2100)へ。



