「こちら葛飾区亀有公園前派出所」(こち亀)の展示施設「こち亀記念館」が、8月に来館者数15万人を達成した。にぎわいを見せる同記念館を、葛飾区出身の記者が訪れた。
派出所の上に勝手に建てた5階建ての記念館
JR常磐線の亀有駅南口から徒歩3分。宮前通り沿いを歩くと、作中の派出所をモチーフにした建物が現れる。記念館は、両さんが勤務する派出所の上に、勝手に5階建ての自分の記念館を建ててしまったというコンセプト。怒った大原部長に追われた両さんが5階まで逃げてから、1階へ下りて亀有の街にまた逃げていくという設定だ。
展示ルートはエレベーターで最上階の5階に上がり、階段で下りながら鑑賞するスタイル。各階でテーマごとに分けられた作品の原画やゲーム体験、フォトスペースなどがあり、時代ごとの作画の変化を見比べたり、一緒に訪れた人と思い出を残すこともできる。
一番人気は「名場面体験BOX」、台湾からの来館者も
一番人気は3階にある「名場面体験BOX」。作中に出てきた遊び道具を再現したゲーム性のある展示が20以上あり、ボタンを押すとあだ名を決めてくれる装置や、タイミングよく木魚をたたくリズムゲームなどが展示されている。
月約7000人の来館者のうち、約3割が台湾からの観光客だ。台湾では「烏龍派出所(ウーロンパイチュウソォ)」という題名で2004年からアニメ放送が開始され、若い世代を中心に親しまれているという。「烏龍」は中国語で「ドジ、間抜け、しくじる」という意味があり、さまざまなことを引き起こす両さんの雰囲気に合わせた題名になっている。取材当日も施設内は台湾からの団体客らで大きなにぎわいを見せた。
国内外から多くの人が訪れる同記念館について、副館長の本橋直樹(48)さんは「こち亀の記念館であると同時に、街の観光案内所としての役割も担っている。記念館を通じて、もっと『亀有』という街を発信し、地域の発展とアピールをしていきたい」と意気込んだ。
街全体に広がるこち亀、新アニメプロジェクトも始動
作品の舞台である葛飾区亀有は、街全体がこち亀関連であふれている。亀有駅南口を出るとまず始めにカラー両さん像が出迎えてくれる。駅北口の亀有公園の入り口には、両さんが描かれたデザインマンホールが設置されている。亀有には現在、15カ所に銅像が設置されており、デザインマンホールは6種類ある。亀有駅の改札周辺で手に入る「両さん銅像めぐりマップ」を片手に銅像を探しながら亀有観光を楽しむことができる。
駅近くにある商店街「ゆうろーど」には、作中に描かれたこともある創業61年の和菓子店「葛飾伊勢屋」があり、両さんの顔が描かれたどら焼や水ようかんなど、こち亀をモチーフにした和菓子を購入することができる。
今年で連載開始50年、アニメ放送30年であることを記念して新アニメプロジェクトが始動している。今月5日には抽選で選ばれた100人のこち亀ファンが招かれ、台東区浅草にある浅草花劇場で新キャスト発表会が行われた。「新こちら葛飾区亀有公園前派出所」が令和9年度にフジテレビで放送されることが決まっている。



