『キルアオ』藤巻忠俊氏、大ヒット後も「漫画を描くのが楽しくない時期があった」と告白
藤巻忠俊氏、大ヒット後も「漫画が楽しくない時期」と告白

北米最大のアニメコンベンション『Anime Expo 2026』が3日、アメリカ・ロサンゼルスで開催され、テレビアニメ『キルアオ』の公式パネル「Shonen Jump Anime KILL BLUE ― Special Homeroom」が行われた。原作者の藤巻忠俊氏、集英社『週刊少年ジャンプ』編集者の杉浦晴海氏、アニメーション制作を手掛けるDMM.comのチーフプロデューサー山田昇氏が登壇。藤巻氏は、自身の代表作『黒子のバスケ』の大ヒット後に経験した葛藤と、新作『キルアオ』への思いを赤裸々に語った。

藤巻忠俊氏、大ヒット後のプレッシャーを告白

パネルでは、まず第1期の振り返りPVが上映され、会場からは大きな拍手が送られた。続いて、シリーズの構想からアニメ化までの過程をたどるディスカッションが行われ、「“伝説の暗殺者が突如、中学生の体に戻ってしまう”というアイデアの起源」や「漫画からアニメへの飛躍」「藤巻氏自らが選ぶお気に入りのシーン」など、制作の軌跡が語られた。

藤巻氏は、スポーツからアクション・コメディまで多様なジャンルを手掛けてきた自身の歩みについて深掘りする中で、『キルアオ』への感謝を明かした。「『キルアオ』は、私自身を救ってくれた作品でもあります。『黒子のバスケ』が大ヒットしたことは本当にうれしかったのですが、同時に『またあれと同じかそれ以上の結果を出さないといけない』という悪いプレッシャーで漫画を描くのが楽しくない時期がありました」と告白。「『キルアオ』ではアプローチを変えて臨みました。今作は私自身を救ってくれた作品だと感じています。“ヒット作を作らなければ”と結果だけを追い求めることはせず、ただ楽しみながら描くことができました。ですので、読者・視聴者の皆さんにも、ぜひ楽しんでご覧いただけたらうれしいです」と、知られざる誕生秘話を語った。

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アニメ制作の挑戦とこだわり

DMM.comの山田昇チーフプロデューサーは、本作のアニメ化にあたっての挑戦について言及。「藤巻氏の描かれる絵は、あまりにも完璧で美しく、それをどう動かしていくかというのが、私たちにとって大きなチャレンジでした。加えて、コメディ、アクション、そして学園生活といった、『キルアオ』が持つ多彩な要素を、いかにバランスよく描いていくかという点にも注力しました。本作はテレビ東京にて土曜の夜に放送されるため、“翌日の仕事のことを気にせず、リラックスしながら楽しめる作品”を目指したいと考えました。皆さまには、ぜひ肩の力を抜いてご覧いただけるとうれしいです」と、原作への愛情と制作面の工夫を語った。

また、主題歌aespa「ATTITUDE」のオープニング映像が上映され、中山竜監督による映像表現について徹底解説が行われた。シネマティックな構図や光の使い方を生み出した制作チーム間のコラボレーションが大きな話題を呼んだ。

ライブドローイングと第2期発表で会場興奮

パネル中盤には、藤巻氏がステージ上でライブドローイングを披露。リアルタイムでスクリーンに映し出される中、『キルアオ』のキャラクターが描き上げられると、会場からは大きな歓声と割れんばかりの拍手が響き渡った。続いて行われたクイズコーナーでは「ホームルーム」というテーマに沿って、アニメ本編や当日のディスカッション内容を題材としたクイズが展開され、正解者には藤巻氏直筆サイン入り色紙が贈呈された。

パネルの最後には、第2期の制作決定が発表され、藤巻氏が新たに描き下ろした第2期告知のビジュアルが初解禁。本日最大のサプライズに会場は興奮に包まれ、締めくくりに会場全体での集合写真撮影が行われ、パネルは幕を閉じた。

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『キルアオ』作品概要

本作は、『黒子のバスケ』で知られる藤巻忠俊氏の同名漫画が原作。伝説の殺し屋としてどんな不可能な依頼もこなしてきた39歳の大狼十三が、ある日謎の蜂に刺され13歳の姿になってしまったことから中学校に通い、さまざまな事件や殺し屋たちとのバトルに挑む“青春やり直し系”アクションコメディ。テレビアニメ第1期は今年4月から6月にかけて放送された。