30日、台北の西門町地下街に、人気アニメ「クレヨンしんちゃん」の映画をテーマにした公式グッズショップ「シネマパレード」がオープンした。住友商事と双葉社、台湾のライセンシー企業「DayDreamer(デイドリーマー)」が共同運営する。映画作品にちなんだグッズ約600点を販売し、日本の池袋や博多の常設店舗に匹敵する規模となっている。
西門町は「台湾の原宿」
西門町は「台湾の原宿」と称され、同地下街では日本のアニメにちなんだポップアップショップなどが出店している。デイドリーマーは台湾や香港、中国などでコラボカフェやポップアップ事業などを手がけ、台北メトロと提携して同地下街の再開発を主導した。住友商事との共同事業は今回が初めてとなる。
開店セレモニーでは、住商の長沢修一メディアSBU長が「総合商社の役割として、このショップでクレヨンしんちゃんの作品の世界観と台湾の多くのファンの皆様をつなぐ架け橋となれたらと考えている」とあいさつ。双葉社の宮沢震編集局局次長は「クレヨンしんちゃんを愛する笑顔であふれ、ご家族や友人と思い出を作る場所になることを願っている。日本で発売される新商品がほぼ同じタイミングで販売されると思う」と述べた。デイドリーマーの周上閔社長は「日本本場の雰囲気を味わえるように準備してきた。さらなる商品の展開を楽しみにしてほしい」と強調した。
台湾市場への期待
住商は今年3月、双葉社との間で、同社の海外でのIPビジネスを支援する業務提携を結んでいる。双葉社の宮沢氏は、台湾での常設店舗は初めてであり、過去の短期店舗でも台湾は人口比で売り上げが多かったと説明。「クレヨンしんちゃんは台湾で長年にわたって浸透してきた。台湾の誰に聞いても知っているキャラクターだと言える」と語った。
長沢氏は「台湾の国力は半導体産業などに代表されるようにますます高まっている。所得水準だけでなく、エンタメに対する支出も増えている。市場として成長力も含めた魅力がある」と述べた。
今後の展開と課題
今後の展開について、宮沢氏は「台湾でのオリジナル作品も企画していきたい。まずは台湾の新商品の限定ものやご当地もの。このお店でしか買えないものを作る」と述べた。長沢氏は「これまでは日本で作ったものをグローバルにというのが多かったが、ターゲットも国や地域によって違ってくる。地域に応じた商材作りやマーケティングを手がけたい。第一号案件なので、これからだ」と語った。
海賊版の問題については、宮沢氏は「台湾の夜市に行くと、『許諾していないな』というものが並んでいる。現地のパートナーと頑張って、正規品をしっかり作って流通させ、皆さんに素晴らしさをわかってもらうしかない」と述べた。長沢氏は「公式のショップができて広がっていくことで、本物の良さをわかってもらう。取り締まりを強化するだけではなく、正規品の良さをわかってもらえれば、おのずと流通として広がっていくと思う」と語った。
中国への展開については、長沢氏は「IPビジネスでは、政治的、経済的な様々な要素があり、どの地域であってもからんでくる。適切に情報を収集し、適切なタイミングで適切な対応を取っていく」と述べるにとどめた。住商のIPビジネスについて、長沢氏は「40年前からコンテンツビジネスを手がけてきた。次のステップとして、商品や体験型ビジネスも手がけるようになった。市場がグローバルになったところで、日本の優位性のある商材を海外に展開するのは総合商社の役割だ」と強調した。



