あべのハルカス建設秘話:近鉄の「やると決めたら貫く」覚悟と日本一への挑戦
あべのハルカス建設秘話:近鉄の覚悟と挑戦

近鉄が建設した高さ300メートルの超高層ビル「あべのハルカス」は、日本一の高さを誇る私鉄所有のビルとして知られる。その建設は、極めて難度の高い条件の下で行われた。元近鉄広報マンである福原稔浩氏は、著書『近鉄学 -元名物広報マンが解き明かす、日本最大私鉄の強さの秘密-』の中で、このプロジェクトに込められた「やると決めたら貫く」という近鉄の覚悟を明かしている。

日本一を目指した決断

あべのハルカスの建設は、単なるビル建設ではなく、近鉄の企業理念を体現するプロジェクトだった。福原氏は「ここまでやるなら日本一を目指そう」という声が社内で上がったと振り返る。高さ300メートルという数字は、当時の日本一を意識したものであり、近鉄の「やると決めたら貫く」という姿勢が色濃く反映されている。

難度の高い工事条件

建設現場は、大阪の中心部に位置し、周囲に既存の建造物がひしめく過密な環境だった。また、地下には近鉄の路線が走っており、工事中も列車の運行を止めるわけにはいかなかった。福原氏は「“大丈夫やと確認した”んか?」という現場の厳しい確認作業を例に挙げ、安全と精度を両立させるための徹底した管理が行われたと説明する。

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「やると決めたら、貫く」近鉄マインド

近鉄には、経営理念として明文化されていないものの、社員に共有される「近鉄マインド」が存在する。福原氏は、入社当初は特別に教え込まれたわけではないが、先輩たちの背中を見るうちに自然と身についたと語る。それは、曖昧さを許さず、確認を徹底し、異変に敏感であること。あべのハルカス建設においても、このマインドがプロジェクトを支えた。

歴史に残る仕事

あべのハルカスは、2014年に開業し、大阪の新たなランドマークとなった。福原氏は「間違いなく歴史に残る仕事に」と評価する。近鉄は、約30社に及ぶ鉄道会社の統合や路線ごとに異なる軌間の問題など、幾度もの課題を乗り越えて日本最大の私鉄へと成長した。あべのハルカスは、その集大成とも言えるプロジェクトであり、近鉄の決断力と実行力を象徴している。

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