近鉄宇治山田駅長が語る「火の見櫓」付き駅舎の秘密と皇室対応の舞台裏
近鉄宇治山田駅長が語る駅舎の秘密と皇室対応

近畿日本鉄道・宇治山田駅は、伊勢神宮の玄関口として知られるが、その駅舎には普段は立ち入ることのできない「火の見櫓」や、バスの方向転換に使われた「ターンテーブル」など、歴史的な設備が残っている。山本一史駅長と伊藤直光助役が、その知られざる裏側と、皇室や首相を迎える特別な業務について語った。

国登録有形文化財の駅舎と「火の見櫓」

宇治山田駅の駅舎は国登録有形文化財に指定されており、その特徴的な外観の一部として、かつての「火の見櫓」が残る。この櫓は通常は立ち入り禁止で、内部は一般公開されていない。山本駅長は「建物は国登録有形文化財で、皇室や首相も利用される近鉄を代表する品格ある高貴な駅だと思います」と語る。

3階のホームは1・2番線が同駅止まりの頭端式で、山田線の一部列車が発着する。3番線が賢島方面、4番線が名古屋・京都・大阪方面だ。1・2番線の隣には、かつて特急と接続していた賢島方面のバスのりばがあり、バスの方向転換をするためのターンテーブルが今も残っている。

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臨時改札口と待合室の活用

2階には普段は閉鎖されている臨時の改札口と待合室がある。これは学校などの団体用だが、イベントスペースとしても活用されている。新年の首相の神宮参拝の際には、一般客をこちら側に誘導するという。伊藤助役は「皇室の方がいらっしゃるときに警察の方と一緒に見回りをしたり、警備に立ったりするのはほかの駅ではなかなかできない経験です」と語る。

駅長・山本一史のキャリア

山本駅長は1983年に入社し、運転士を約10年経験した。8両編成のカーブで後ろの車両が見えることや、車内で乗客がトランプやお酒を楽しむ様子を見て「ええな」と感じたという。2005年ごろの3年間は、つくばエクスプレスを運営する首都圏新都市鉄道に出向し、浅草駅や秋葉原駅の助役を務めた。2023年11月に宇治山田駅長に就任した。

助役・伊藤直光の経験

伊藤助役は1989年に入社。津駅や鳥羽駅の駅員を経て、2015年に助役となり、宇治山田駅には2021年に着任した。駅員時代は特急券売り場の窓口に正月や大型連休に長蛇の列ができ、時間に迫られながらも丁寧に対応するのが大変だったが、お客さまからの「ありがとう」の言葉が励みになったと振り返る。

宇治山田駅は観光利用だけでなく、地域の交通拠点としての一面も持つ。歴史ある設備と、そこに携わる職員の誇りが、駅の品格を支えている。

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