総務省は2026年6月25日、ソニーネットワークコミュニケーションズ(SNC)に対し、電気通信事業法が定める書面の交付義務に違反があったとして、文書による行政指導を行った。同社が提供する「NURO光」などの回線サービスにおいて、契約書面が適切に交付されていなかったケースが複数確認された。
対象プランと違反の内容
指導の対象となったのは、「NURO光 for マンション10ギガ」「NURO光10ギガ(マンション)」「NURO光でんわ」の一部契約。これらのプランでは、契約時に書面を交付する義務が適切に履行されていなかった。特に、見守りGPSサービス「amue link(アミューンク)」においては、約5年2カ月にわたり書面交付の仕組み自体が存在しなかったという。
総務省の発表資料によると、問題の原因は、システム開発・改修時の影響範囲の検討とその確認プロセスが不十分だったこと、および契約書面の送付状況を定期的に確認する運用体制がなかったことにあると指摘している。
amue linkの契約不備の詳細
amue linkは2020年12月中旬から順次開始され、2025年4月に新規受付を終了したサービス。総務省によると、契約時に契約者の氏名や住所を把握しておらず、2021年2月17日から2026年4月21日までの約5年2カ月間、契約書面の交付プロセスが存在しない状態が続いていた。
総務省はSNCに対し、電気通信事業法第26条第2項(書面の交付)の順序徹底と、再発防止措置の実施、実施状況の報告を求めた。同社は指導時点で既に是正対応を完了しているという。
過去の関連事例
SNCをめぐっては、これまでにも複数の問題が指摘されている。NURO光の広告でイラストを無断使用したケースや、特定事業者による「異常なトラフィック」が原因でネットワーク不安定性が生じた調査結果の公表などがあった。また、総務省は楽天モバイルに対しても、顧客向けWebページでの不正アクセスに関する行政指導を実施。さらに、IIJ(インターネットイニシアティブ)に対しては、法人向けメールセキュリティサービスへの不正アクセス事案を巡り行政指導を行っている。
総務省はこれらの事例を通じ、通信事業者全体のセキュリティ向上やコンプライアンス徹底を求めている。



