HISモバイル、全プラン2000円未満の新料金「自由自在3.0」30GBは1999円
HISモバイル新料金「自由自在3.0」全プラン2000円未満に

H.I.S.Mobileは、MVNOサービス「HISモバイル」にて、約2年ぶりとなる新料金プラン「自由自在3.0」を導入する。データ容量の区切りといった大枠は変えていないため、既存のユーザーもそのまま移行されるというが、新料金では10GB以上の容量帯を大きく強化しているのが特徴だ。最大容量の30GBも含め、すべてが2000円未満という金額を打ち出し、お得感を高めている。

一方で、HISらしさにも磨きをかけた。新たに導入されるVoyeのサービスをHISモバイル向けにカスタマイズし、ユーザーには7日間/4GBのデータ通信が可能な海外用eSIMを契約者に無料で提供。楽天モバイルやY!mobile、ahamoといった大手キャリアの料金プランに対抗する。このeSIMは国内用も用意されており、ローミングで接続するため、3キャリアの回線を自由に切り替えることができる。

10GB以上の容量帯を値下げした背景

前身となる「自由自在2.0プラン」の開始から約2年がたったHISモバイルだが、このタイミングで10GB以上の容量帯を改定し、新料金プランとして打ち出すのにはどんな狙いや背景があったのか。HISモバイルで代表取締役社長を務める高村英知氏に話を聞いた。

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高村氏は「前回の自由自在2.0プランから2年たち、Web広告からの獲り取り効率が下がってきました。仮説ですが、AIの推奨を見ても、部分的な強者は推奨されづらい。『おすすめのモバイルは?』と聞いたときに、一般的にシェアの高いキャリアの大容量プランをカバーしている必要があるということを、この半年ほど感じていました。アフィリエイトもAIに食われまくっているので、そうなると強者一択で、大手3社ぐらいに全て持っていかれることになりがちです」と説明する。

「MVNOだと、IIJmio、mineo、日本通信SIMの3択で、イオンモバイルさんなども特徴のある領域を取っています。AIを見ていると、最安値の100MBと中容量の7GBでは多少ありますが、(10GB以上が高いと)そこに入っていこうとしたときにはなかなか推奨されない。逆説的に考え、そこを修正することにしました」と話す。

2000円を絶対に超えないようにしたかった

高村氏は「中途半端に2100円や2050円にすることはできましたが、うちのプランは2000円を絶対に超えないようにしたいという思いはありました。中途半端にやるより、『2000円は高い』と言う人のために、あえて1999円にしています。もともとそんなに収益性が高いわけではないので、それなりに苦しいのですが、中容量は数が少なく、もともと比率が高くなかった。既存ユーザーの方を値下げしてでも、今後、10GB以上の人が増えていった方がトータルのボリュームが出て優位性も出せます」と語る。

「結果として儲が広いのは低容量で、容量が大きいプランにはそこまで入りません。今、7GBぐらいの選択肢の中で選ばれづらくなっているので、上のプランも含めて獲得効率が上がってくれれば、費用対効果も高まります。もちろん、今より30GBや20GBは増えると思いますが、全体としてここが半分以上になることはないと思っています。ただ、仮にここが3割まで上がれば、それに伴って1GBなどの低容量も大きく伸びるので、全体として原価率はそこまで高くなりません」と述べた。

これまで9年間数字を見てきたが、こうやればこうなるということが大体見えてきたという。「もちろん、今回はHISの特典がHISのユーザーに刺されば30GBの比率が増える可能性はあります。また、店頭でユーザーが取れれば、いろいろな提案ができるようになるので、プランの割り振りができてバランスも取れると思います」と話す。

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利用実績を集計して最適なプランを提案したい

発表会では、取りあえず30GBに入っても2000円かからないという発信の仕方をしていたが、プラン変更は簡単にできるのだろうか。高村氏は「入っていただき、何GBにするというところを押すだけで翌月から適用されます」と説明する。「それは自動では適用されないですよね」という問いには「それはないですね。ただ、利用実績がどのぐらいで、何GB使ったかというのは出ます。セールス的に、今のプランが合っていないですよということを、AIで集計させてメールで発信するレコメンドはしたいと思っています。それでも、プラン変更をしない人は絶対にしないのですが(笑)。旧プランから変えていない人も一定数います」と語る。

現状で多いのは何GBかについては「数で言うと一番安いプランが人気で、いわゆるMVNOらしい集計ができています。それを除くと、1GBか7GBですね。通話が安いということもあり、キャンペーンをやるとガラケー(旧来型の携帯電話)も売れます。1GBプランでガラケーユーザーを取っているのと、7GBがそれなりに売れています。3GBと7GBだと220円差なので、7GBがいいとなるのだと思います」と話す。

ドコモの3G停波の影響については「ガラケーユーザーっぽい回線はちょっと伸びましたね」と述べ、楽天モバイルのサブ回線としての提案もされていることについては「低容量のところが伸びています。本当にそのために使っているのかというと答えは出ていませんが、楽天モバイルのローミング終了が言われたところから少しずつ伸びてきています」と語る。

新料金プランは、店頭での販売も強化していくのだろうか。「今、代理店の営業を構造やっています。30GBが強くなることで、新規加入代理店や、もっとやりたいという事業者さんが増えるのではないでしょうか。分かりやすいプランを作ることで、代理店の強化にもなります」と話す。「弊社の代理店はガッツリ通信だけをやっているというところよりも、付随的にHISモバイルを使っている方々が多い。誰が見てもシンプルに安いと、別の事業をやりながら接点を強化できます。例えば、PC教室をやっているところが、モバイルにも来てくださいと言いやすくなり、そこから保険や保険のサービスも販売できます。新料金プランで、パートナー開拓もしやすくなっていると思います」と語った。