中国・上海で5日、海外企業が製品やサービスを中国市場で売り込む政府主催の総合見本市「中国国際輸入博覧会」が開幕した。共産党序列6位の丁薛祥筆頭副首相は開幕式の演説で「われわれは貿易黒字を意図的に求めたことはない」と主張し、輸入拡大を通じ「貿易の均衡実現」を進める方針を示した。
膨らむ貿易黒字と摩擦
中国は電気自動車(EV)などハイテク製品の輸出拡大で貿易黒字が膨らんでおり、2025年には初めて1兆ドル(約158兆円)の大台を突破した。今年は昨年を上回るペースで拡大しており、各国との貿易摩擦につながっている。
中国は対外開放の姿勢を示して海外企業を呼び込み、貿易摩擦の緩和を狙う。丁氏は「ハイレベルの対外開放を拡大し、各国企業が中国に投資し、中国の超大規模市場を分かち合うことを歓迎する」と表明した。
米国の輸出規制に言及
同時に米国の対中輸出規制を念頭に、「安全保障を拡大解釈し、他国に災いをもたらすやり方は、貿易の不均衡を拡大させるだけだ」と指摘し、規制の撤回や緩和を求めた。
輸入博は習近平国家主席が主導し18年に始まった。9回目の今回は162の国・地域や国際機関が参加し4100社超が出展した。
米企業の出展面積が最大
中国メディアは米企業の出展面積が8年連続で最大だと伝えた。ナイキやテスラなどが出展した。米中両国は貿易戦争の「休戦」を来年1月10日まで延長することで合意するなど、経済・貿易関係の安定化を進めている。
米国大豆輸出協会の米国人男性は「中国は今も米産大豆にとって最大の市場だ」と指摘。米中両首脳が会談を継続していることについて、「対話と交流の機会を持つことは、それが全くないよりもはるかに良い」と評価した。
日本勢の出展と現状
日本勢ではパナソニックホールディングスやトヨタ自動車、ホンダ、三菱商事、ユニクロを展開するファーストリテイリングなどが出展している。
中国政府は、昨年11月の高市早苗首相の台湾有事を巡る国会答弁を機に対日圧力を強め、日本企業によるレアアース(希土類)輸出許可の取得が困難となっている。ただ、大規模な不買運動が広がるといったことはなく、在中日本企業は「日本企業が、中国側にも経済的なメリットがある通常のビジネス活動で差別的な扱いを受けるという事態には陥っていない」(商社幹部)と受け止めている。