米国のトランプ大統領は3日、イスラエルに対する年間40億ドル(約6300億円)の支援を年内で打ち切ると、米FOXニュースのインタビューで述べた。政治専門紙ザ・ヒルは「米国の外交政策の大きな転換点」と報じている。
支援打ち切りの背景
米国は長年、イスラエルを資金面で支えてきた。現在の支援は、オバマ政権とイスラエルが2016年に結んだ覚書に基づき、2028年までの10年間で米国が380億ドルの軍事援助を行うと定めている。今回の打ち切り対象とみられる支援について、トランプ氏は「イスラエルがそれを必要としていない」と語った。
選挙戦の影響を示唆
中間選挙の上院選では、接戦のミシガン州で当選を決めた民主党候補のアブドゥル・エルサイード氏が対イスラエルの援助停止を訴えていた。トランプ氏はインタビューで「なぜ我々がエルサイードのような正気を失った人間からの攻撃に耐えなければならないか」とも語り、選挙戦が判断に影響したことを示唆した。
イスラエル側の懸念
トランプ氏の発言を受け、イスラエルの民放「チャンネル12」は、防衛当局者らが「動揺し、危機感を募らせた」と報じた。1年の支援額38億ドルのうち、33億ドルは米国からの兵器購入に使われ、5億ドルは「アイアン・ドーム」など防空システムの共同開発に充てられてきた。こうした支援を元手に、イスラエルは敵対する周辺国に軍事的優位を保ってきた。
イスラエルの元国家安全保障担当副補佐官チャック・フレイリッヒ氏は「米国の軍事支援停止は予想されてきたが、衝撃だ。支援が今年末で終了すれば、政府は増税と行政サービスの縮小で対応するしかない」と本紙に語った。