欧州では、日本では多くの都市から姿を消した「街のシンボル」であるレトロな路面電車が、今も現役で走り続けている。ドイツのヴュルツブルクでは、かつて各地で見られたデュヴァグ車が予備車両として活躍し、イタリアのミラノでは、ほぼ100歳になる車両が主力として運行を続けている。
ヴュルツブルクで現役のデュヴァグ車
ドイツでは、デュヴァグの車両は現在引退が進み、保存車として残されているところがほとんどだが、ヴュルツブルクでは現役で活躍している。特に、新型の低床車が不具合で長期にわたって運用を離脱した際には、全線で終日にわたって運行される姿が見られたという。
基本的には予備車両的な扱いだが、朝のラッシュ時などには、新型車両に交じって元気な姿を見ることができる。
ミラノの古豪「ヴェントット」
ヨーロッパで現役の旧型トラムの中でも究極の車両が、イタリアのミラノで活躍する「ヴェントット」だ。初期に生産された車両はあと2年で100年目を迎えるが、今も現役として通常営業に使用されている。すでに全盛期の3分の1以下にまで減ってはいるが、それでも100両以上が現役なのは驚きだ。
ヴェントットはアメリカの路面電車「ピーター・ウィット」をベースにミラノ市向けにデザインされた車両で、台車などの機械部分もイタリア国内でライセンス生産された。1927年に2両が試作され、1928年から量産を開始。1930年までの間に試作車2両を含め総計502両が製造された。
アメリカ名であるピーター・ウィットとも呼ばれるが、イタリアでは量産を開始した年号「28」を意味するヴェントットの愛称で親しまれている。
ミラノの象徴として走り続ける
新型車両も増えたが、ヴェントットはまだまだミラノの主力として活躍している。2028年には誕生100周年を迎えるこのレトロ車両は、ミラノを象徴する存在であり続けている。



