東京を訪れる訪日外国人が増え続ける中、玄関口となる羽田、成田の両空港で課題となっているのが鉄道の輸送力だ。巨大なキャリーケースを引く観光客で、混雑する車両に乗り合わせた経験のある人も多いだろう。このままインバウンドが増え続ければ、人や物資の滞留を引き起こしかねない。いくら飛行機の発着回数を増やしたところで、それでは意味がない。空港の機能強化に合わせ、目的地へと送客する電車も相応の本数を用意する必要がある。鉄道各社はアクセス強化に向けた取り組みを進めている。
羽田にJR東が参戦、京急と東急も強化急ぐ
鉄道で羽田空港へ行き来する際、選択肢は長らく浜松町を起点とする東京モノレールか、京急蒲田を通る京浜急行電鉄(京急)かの2つだった。しかし、JR東日本が2023年6月に「羽田空港アクセス線」の工事を開始。同線は3ルートから成る構想で、その1つである東山手ルートは31年度に開業する見込みだ。この新路線により、都心から羽田空港へのアクセス時間が短縮され、輸送力も大幅に向上することが期待される。一方、京急も羽田空港第3ターミナルへの直通列車を増発し、東急電鉄も蒲田駅から空港へのシャトルバスを強化するなど、各社が競って利便性向上に努めている。
成田は8000億円規模の投資必要、誰が負担?
成田空港では、都心とを結ぶ京成スカイライナーが最短36分で結ぶが、需要増加に対して増発には課題がある。成田国際空港会社(NAA)は、滑走路増設やターミナル拡張など、総額8000億円規模の投資計画を打ち出している。しかし、鉄道アクセス強化にはさらに巨額のコストがかかり、その負担を誰が担うのかが大きな論点となっている。国や空港会社、鉄道事業者、そして利用者である旅客の間で、費用分担の枠組みをどう構築するかが今後の焦点だ。特に、インバウンド需要の持続的な成長を見据え、早急な対応が求められている。



