東洋経済は、AI(人工知能)を活用した記事生成システムを導入する方針を明らかにした。編集作業の効率化を図り、コンテンツの量と質の向上を目指す。同社は2025年10月から試験運用を始める計画で、順次本格運用に移行する見通しだ。
システムの概要と目的
このシステムは、自然言語処理技術を応用し、データや過去の記事をもとに自動で記事案を作成する。記者や編集者はこれを下書きとして利用し、最終的な記事に仕上げる。東洋経済の広報担当者は「AIが単純な情報整理を担うことで、記者はより深い分析や取材に注力できる」と説明する。
導入の背景には、デジタルメディアにおけるコンテンツ需要の高まりがある。同社は月間約1,000本の記事を公開しているが、今後さらに増加を見込む。AIシステムの活用により、生産性を20%向上させる目標を掲げる。
試験運用と今後の展開
試験運用は、経済ニュースや企業情報など、比較的定型化された分野から始める。システムが生成した記事案は、編集部が内容を確認し、必要に応じて修正を加える。東洋経済は、AIの学習データとして自社の過去記事を活用する予定で、精度向上に努める。
同社は、AI導入による雇用への影響については「記者の仕事を奪うものではなく、むしろ創造的な業務に集中できる環境を作る」と強調する。将来的には、読者の関心に基づくパーソナライズ記事の自動生成も視野に入れている。
業界の動向と課題
メディア業界では、AIを活用した記事生成の取り組みが広がっている。共同通信や日本経済新聞も同様のシステムを導入しており、東洋経済は後発組となる。しかし、AI生成記事の信頼性や倫理的な問題も指摘されており、東洋経済は「人間の目によるチェックを徹底し、誤情報の拡散を防ぐ」と述べている。
今回のシステム導入は、2025年9月30日までに記者や編集者向けの研修を実施し、10月からの試験運用に備える。東洋経済は、AIと人間の協業によって、より価値の高い情報提供を目指すとしている。



