タイ・バンコク近郊で、元JR東日本のキハ40系気動車が運行を開始した。日本で長年活躍した車両が、タイ国鉄(SRT)で再デビューを果たすまでの舞台裏には、多くの課題と関係者の尽力があった。
車両譲渡から復活までの長い道のり
キハ40系がタイに到着した後、すぐに運行開始とはならなかった。まず、2025年3月にレムチャバン駅構内で台車の取り外し作業が行われた。この間、悪質な鉄道ファンによる車両部品の盗難も発生し、関係者を悩ませた。その後、台車のみがSRTマッカサン工場に搬入され、メーター軌に対応する改造が施された。そして同年5月、車体も同工場に到着し、タイでの運用に向けた各種改造工事が本格化した。秋田を出発してから1年、長い道のりを経ての復活となった。
復活したキハ40系の運行状況
復活を遂げたキハ40系は、朝日を浴びてドンムアン駅に入線する様子が目撃され、乗客が一斉にスマートフォンを向ける光景が見られた。車内の中づりには「バンコク近郊都市から中心部へより快適に!」と日本語が併記され、日本の雰囲気を残している。カラーリングも日本での現役時代をリスペクトしたようなデザインで、バンコク近郊で「スペシャル通勤列車」として運行されている。
中古車両導入のキーパーソンに聞く
タイ国鉄の中古車両導入のキーパーソンであるアディソン氏は、現在のタイが中古車両の導入に門戸を開いており、慢性的な車両不足に対する一つの解決策となっていると語る。キハ40系に続き、さらなる譲渡の可能性もある中、過去のトラブルが水を差す可能性もあった。過去には、コロナ禍の影響で車両が港に長期留置され、車体が劣化したことでタイのメディアから中古車両の導入が大きく非難された事例もある。
中古車両は日本とタイの友好の証
アディソン氏は「中古車両は日本とタイの鉄道を結ぶ友好の証」と強調する。受注企業は日本の会社とみられているが、責任を持った対応が求められる。キハ40系の復活は、両国の鉄道交流の新たな一歩となった。



