1987年、松下電器産業(当時、現パナソニックホールディングス)は、新たなOS(基本ソフト)「TRON(トロン)」を搭載したパソコンの試作機開発に成功した。同年3月、読売新聞は「トロン計画前進 松下電器 国産OSパソコンを開発」という見出しでこのニュースを報じた。
記事は「(マイクロソフトの)『MS-DOS』などがOSの国際標準となっており、日本メーカーはこのOSに合わせハード、ソフトを開発している」と説明。「トロン計画の推進で日本メーカーは、国産OSによる世界的な標準化が進むことを望んでいる」と伝えた。
試作機がもたらした期待
試作機の登場をきっかけに、トロンはマイクロソフトに対抗する国産OSとして関係者の期待を集めるようになる。日本メーカーだけでなく、米国メーカーも「トロンパソコン」を作り始め、実用化への期待が高まっていった。
貿易摩擦の影
しかし、日米貿易摩擦という時代の大きなうねりがトロンの未来を暗転させることになる。



