国産マッチ「バズりたい」動画が3000万再生、職人芸と工場見学の心理が生んだ必然
国産マッチ「バズりたい」3000万再生の必然

国産マッチメーカーの日東社がX(旧Twitter)に投稿したマッチ製造動画が、3000万回再生を超える大バズを記録した。同社は「国産マッチでもバズりたい」と正直なコメントを添えて動画を公開。この一言が多くのユーザーの共感を呼び、拡散の起爆剤となった。

なぜ「バズりたい」が響いたのか

ネットメディア研究家の城戸譲氏は、この現象について「SNSにおいて『バズりたい』という本音を前面に出すことは、リスクが少なくリターンが大きい戦略」と分析する。特に販路や資金が限られた地元密着企業にとって、SNSでの話題作りは有力な選択肢だという。

動画がバズった背景には、いくつかの要因が重なっている。まず「日本人の底力」を称えるコンテンツが、テレビやネットを問わず根強い人気を持っていることだ。職人技や伝統産業の魅力は、昨今のナショナリズムの高まりもあって、常に一定の需要を維持している。

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工場見学コンテンツの心理的効果

さらに「工場見学」という形式自体が持つ魅力も大きい。城戸氏は「人は普段見られない舞台裏を垣間見ることにワクワクする」と指摘する。小学校の社会科見学を思い出せば、働く人々にとっての日常が、訪問者には非日常の刺激として映る感覚は理解できるだろう。

同様の事例として、国産梅酒メーカーのチョーヤ梅酒が投稿した瓶詰めと検品の動画が1.8万の「いいね」を集めた例も挙げられる。これらの動画は、商品を直接アピールする広告と受け取られかねない内容でありながら、視聴者に好意的に受け入れられている。

バズは通過点、その先が重要

城戸氏は「バズることは方法であってゴールではない」と強調する。「バズの向こう側」を考え、いかに波を維持し上昇気流に乗せるかが、企業にとっての真の課題だ。ブームで終わらせず、持続的なブランド価値向上につなげる戦略が求められる。

国産マッチの動画は、職人芸、工場見学、感情に訴えるストーリーの3要素が掛け合わさった好例といえる。しかし、その先にあるのは、バズをきっかけに如何にファンを獲得し、事業成長に結びつけるかという長期的な視点である。

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