SNSでは次々と新しいヘアスタイルが流行するが、今注目を集める無造作なスタイルの起源は90年代に遡る。英版『GQ』がロンドンのバーバーたちに、その取り入れ方を聞いた。
『ファイト・クラブ』が生んだ「ウォリアーカット」
デヴィッド・フィンチャー監督の『ファイト・クラブ』が後世に与えた影響は大きい。今もタイラー・ダーデンの赤いレザージャケットやハワイアンシャツを買い求める男性が後を絶たないことからも、それはわかるだろう。だが、男性たちが映画から取り入れているのは、色付きサングラスやファーコートだけではない。『ファイト・クラブ』は、あるヘアスタイルにも影響を与えた。それが「ウォリアーカット」だ。
そして、ほかの90年代カルチャーと同じように、この髪型も再発掘され、SNSで第二のブームを迎えている。TikTokには、「#warriorcut」のハッシュタグが付いた投稿が何千件も存在する。
ロンドンのバーバーが語る特徴と注文方法
「いまはウォリアーカットにするのにいいタイミングです」と話すのは、ロンドンのTime Shoreditchで働くバーバー、TJ・ハントだ。彼はオースティン・バトラーの現在のヘアスタイルが現代版ウォリアーカットだと言えるという。それだけでも、この髪型を試してみる理由としては十分かもしれない。
「マレットから自然に進化したスタイルという感じがしますし、ある意味ではモッズカットの流れも汲んでいます。柔らかなアウトラインや、後ろに重さを残したシルエット、きっちり整えすぎないもみあげなど、ウォリアーカットにはモッズカットの要素がまだ残っています。とはいえ、ウォリアーカットのほうが、今は少しニッチでクールな選択肢になると思います」
そこで『GQ』はハントに加え、Supply91共同創業者のルーク・デイヴィス、Idris Barbering Co.のマット・ヒューズに、ウォリアーカットとは具体的にどんな髪型なのか、そしてイメージ通りに仕上げてもらうにはバーバーにどう注文すればいいのかを聞いた。
「制御されたカオス」が生む無造作な魅力
「ウォリアーカットは90年代に生まれた、ラフで無造作、そして強くテクスチャーを効かせたスタイルです」とデイヴィスは説明する。「アウトラインは柔らかくナチュラルで、トップにはしっかりテクスチャーを入れて、十分な動きを出します。不揃いなレイヤーを入れ、毛量を調整することで、意図的につくり込んでいないような仕上がりにするんです。この髪型はいわば“制御されたカオス”。大胆で男らしく、それでいて頑張っているようには見えません」
キーワードは「無造作」だ。ウォリアーカットは、きっちり整って見える必要はない。むしろ、髪に指を通して、そのまま家を出てきたように見えるくらいがいい。「ここ数年流行してきたサッカー選手たちのヘアスタイルとは正反対です」とハントは言う。「あちらは輪郭がシャープで、タイトに、きれいに整えられています。ウォリアーカットは、どちらかというと寝起きのようなスタイルです」



