イーロン・マスク氏によるTwitterの買収が、米国時間10月27日に正式に完了した。マスク氏は即座に、パラグ・アグラワル最高経営責任者(CEO)を含む複数のトップ幹部を解雇した。買収額は約440億ドル(約6兆5000億円)で、マスク氏はこれによりTwitterを非公開企業とし、自らが暫定CEOに就任する見通しだ。
買収の経緯と即時解雇
マスク氏は今年4月、Twitter株の全取得を提案し、取締役会もこれを受け入れた。しかしその後、買収を撤回すると表明し、Twitter側は法的措置を取る構えを見せていた。しかし10月初め、マスク氏が再び当初の条件での買収を提案し、取引は成立した。買収完了後、マスク氏はまずアグラワル氏、最高財務責任者(CFO)のネッド・シーガル氏、法務責任者のビジャヤ・ガッデ氏、そして企業法務責任者のショーン・エジェット氏を解雇した。マスク氏は以前から、アグラワル氏の経営手腕を批判していた。
今後の運営方針
マスク氏は買収完了に先立ち、Twitterの従業員に対し、コンテンツモデレーションの方針は変わらないと述べていた。しかし、同氏はこれまでに、表現の自由を重視し、スパムボットの排除やアルゴリズムのオープンソース化を掲げている。また、Twitterの収益源として、サブスクリプションサービス「Twitter Blue」の拡充や、広告への依存度を下げる方針を示している。アナリストからは、マスク氏の運営方針が既存のユーザー体験や広告収入にどのような影響を与えるか、不透明感が指摘されている。
市場とユーザーの反応
買収完了を受け、Twitterの株価は同日の取引で上昇したが、市場はマスク氏の今後の戦略を注視している。一部のユーザーからは、マスク氏の買収により言論の自由が拡大することを期待する声がある一方、ヘイトスピーチや誤情報の増加を懸念する声も上がっている。マスク氏は買収後、ツイートで「鳥は解放された」と投稿し、新たな時代の幕開けを宣言した。
今後の課題
マスク氏はTwitterの成長戦略として、新機能の追加や収益化の強化を計画しているが、同社は広告収入の減少に直面している。また、マスク氏はテスラやスペースXなどの他の事業も抱えており、経営資源の分散が懸念される。さらに、買収資金の一部として約130億ドルの負債を抱えたことから、利払い負担が収益を圧迫する可能性も指摘されている。マスク氏のTwitter運営が成功するかどうかは、今後の具体的な施策とその実行力にかかっている。



