AI生成画像は広告に受け入れられるのか?最新調査から見えてきた近未来像
AIによる画像生成は、著作権やディープフェイクなど多くの問題をはらみつつも、着実に私たちの生活の中に浸透しつつある。特にネットでは、広告やショートドラマなどのコンテンツにおいて、「どうもAI臭い」という画像や動画が多くなっている。
個人の趣味としては、生成AIを使ってフルの動画作品を作るには、まだコストがかかりすぎる。一方プロの映像制作では、俳優やスタッフの人件費、スタジオセット費、ロケ費用から考えれば、生成AIに課金したほうが全然安いという状況になっている。
そんな中、生成AIを使って制作した広告は、それがAIであることで何らかの影響を与えるのだろうか。2025年12月に、視聴率調査で知られるビデオリサーチ内のシンクタンク「ひと研究所」が、そうした調査を行った。「AI画像広告は生活者に受け入れられるのか?~生成AIを活用した広告クリエイティブへの生活者の反応を分析」。調査結果は、ビデオリサーチのサイトで公開されている(出典:ビデオリサーチ)。
今回はその結果を見ながら、生成AIが作り出す画像と、それを見た人間の反応や行動がどのように変わるのかを掘り下げてみたい。
人は生成AI画像を見分けられるのか
この検証では、ファストフード、ミネラルウォーター、旅行の3つの商品カテゴリーで、実写広告とAI画像広告の2つを作成。実写広告はフリー素材の写真にキャッチコピーなどを入れて広告として仕上げたもの、AI画像広告は同じフリー素材を読み込ませて画像を生成させたものとなっている。キャッチコピーやロゴなどは、同じものを入れてある。
人は、見た目だけでAIで生成されたものであるかを見抜けるのか。最初のテストは、この6つの画像をランダムに見せ、その広告効果とクリエイティブ評価を聴取した。次に、提示された広告は「実写とAIをランダムに表示したものである」ことを説明し、自分が見たものが実写なのかAIなのかを判断してもらった。
AIだと当てた人は6割から7割
結果、AI画像と実写画像の識別率は約6〜7割となり、多くの人がある程度見分けられることが判明。しかし、広告効果やクリエイティブ評価においては、AI画像広告と実写広告の間に有意な差は見られなかった。つまり、消費者はAI生成と気づいても、広告の訴求力や魅力度に大きな影響を受けない可能性が示唆された。
また、コスト面では生成AIの優位性が明確で、特にプロの映像制作と比較すると、制作費を大幅に削減できる。このため、企業はクリエイティブの品質を維持しつつ、コスト削減を図れる可能性がある。
今後の課題としては、AI生成広告の倫理的な側面や、消費者への透明性の確保が挙げられる。調査では、AIと明示した場合の反応も検証されており、今後の広告業界の指針となるだろう。



