XPPenから3月に発売されたペンタブ「Artist Pro 27(Gen 2)」をレビューする。これまで大型ペンタブの雄といえばWacomの「Cintiq Pro 27」だったが、スタンド込みで60万円前後という価格は、業務用としてもなかなか買いにくい状況だった。
一方で本機は、27型の同等サイズに加えて、4K(3840×2160ピクセル)で120Hzのディスプレイ、タッチパネル、高性能のペンといった、Cintiq Proに直接張るような仕様を備えながら、取り付け済みのスタンドや左手デバイス付属のような手軽な一面もあり、価格も29万8000円と、極上の上位機という位置付けの製品としては割とリーズナブルで、Cintiq Pro級シリーズの半額のコスト感で購入できる。
スペックをチェック
まずはペンタブとしての主な仕様をざっとチェックしよう。
- ディスプレイ:26.9型
- 解像度とリフレッシュレート:3840×2160ピクセル/120Hzまたは1920×1080ピクセル/320Hz
- 最大輝度:350ニト
- 色域カバー率:sRGB 99%, Adobe RGB 99%, P3 97%
- ペン:X3 Pro スタイラスペンとスリムスタイラスペン
- スタンド:取り付け済み VESAマウント:100mm
目を引くのは、4K/120fpsに加えてフルHD/320Hzにも対応していることと、最大輝度が350ニトまで対応していることだろう。従来の据え置き型のペンタブは200ニト台が多く、上向きで使いがちなことと、画面がマットなことが相まって、明るい部屋だと暗くて見づらくなることもあった。350ニトというと、高い輝度が必要なHDRディスプレイの入門機に近い明るさだ。
室内のさまざまな環境で、見やすさが確保しやすくなると期待できる。(個人的には、部屋も画面も暗めにするのが好きです)フルHDの320Hzモードは、メーカーもあまりアピールしていない。手で触る距離で使う大画面にフルHDは粗すぎて使い道がなく、この記事でも評価まではしない。だが、本機の大画面で320Hzでタッチスクロールなどを試すと、「な……なるほど……」みたいな気持ちになるので、もし入手したらぜひ試してみてほしい。
4Kの高リフレッシュレート、ユーザーの好みに合わせて筆圧を選べる高性能なペン、広色域、タッチ対応など、仕様面では「ペンタブの最上位機」に足りないところはないように見える。
接続・設置の手軽さに配慮したボディー
外観と接続もチェックしていこう。まず本体は最近のXPPenらしいかっこよさで、ミニマルでバランスが良いです。ベゼルは細いので、ボディーサイズは27型というよりは一回り大きい32型のような印象です。
手で触れる位置に設置するので、実用するときはかなりの腕力です。上面に電源ボタンと、タッチのオン/オフボタン、輝度設定や入力切り替えを呼び出せるボタンがあります。輝度以外のディスプレイ設定はドライバアプリから変更できます。ペンホルダーも付属して、画面上部に装着できます。
背面中ほどの左側にコネクターがまとめてあり、ディスプレイ入力はUSB Type-C、HDMI、DisplayPortを利用できます。USB Type-Cからのディスプレイ出力に対応したPCでは、ACアダプターと合わせて2本で接続でき、そうでないPCではディスプレイケーブルとUSBケーブルを接続して、合計3本でのセットアップになります。電源とUSBケーブルとHDMIケーブルを接続した状態。ヘッドフォン出力端子もあります。
端子に無駄な力がかからないようケーブルを支えるツメや、接続部分を隠すフタなど、接続や設置への気遣いが多いのも嬉しい点ですね。また、上の写真にある通り、自由に調整できるスタンドも取り付けられています。スタンドにはローラーが付いているので、水平に近い角度から垂直に近い角度まで、比較的軽い力で調整できます。本体の重さがあるとはいえ、ちょくちょく立てたり寝かせたりしなければいけないような運用にも対応できそうです。



