時給4500円の溶接工が1.6億円の資産家に…スペースX上場で4400人が億万長者に
時給4500円の溶接工が1.6億円の資産家に…スペースX上場で4400人が億万長者に

6月12日、イーロン・マスクCEO率いる宇宙開発企業スペースXがナスダックに上場した。公募価格は1株135ドル(約2万2000円、1ドル160円換算)で、初日の終値は160.95ドル(約2万6000円)と公募価格を19%上回った。同社はこのIPOで史上最大となる750億ドル(約12兆円)を調達し、時価総額は一時2兆9700億ドル(約475兆円)に達した。これは日本最大の上場企業トヨタ自動車の時価総額(約45兆円)の10倍超に相当する。

4400人超が一夜にして100万ドル級の長者に

マスク氏は保有株の約43%により、純資産が1兆ドル(約160兆円)を突破。世界初の「兆万長者(トリリオネア)」となった。しかし、富を得たのはマスク氏だけではない。米ビジネス誌フォーチュンによると、現従業員および元従業員4400人超が、IPOを受けて一夜にして100万ドル級(約1億6000万円)の資産家になった。投資プラットフォームHill.comの分析では、うち約400人は保有株の価値が1億ドル(約160億円)を超える。COOのグウィン・ショットウェル氏やCFOのブレット・ジョンセン氏ら重役陣も、それぞれ10億ドル(約1600億円)超の資産を手にしたとされる。

溶接工から億万長者へ:フアン・エルナンデス氏の物語

ウォール・ストリート・ジャーナルが注目したのは、元スペースX溶接工のフアン・エルナンデス氏(42)のケースだ。メキシコから米国に渡ったエルナンデス氏は、「割のいい仕事だから」という理由で溶接技術を習得。2015年、友人から紹介されたスペースXの仕事について、当時はロケットを飛ばす会社だとは知らなかったという。「当時は給料が十分だったので」と、時給28ドル(約4500円)の契約社員として入社した。

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真面目に働き続けたエルナンデス氏は正社員に登用され、1万ドル(約160万円)相当の株式を制限付きで取得。株式の価値について「大したことだとは思わなかった。ここまで大きくなるとは思っていなかった」とCBSニュースに振り返る。それでも周囲にならい、給与天引きで株式を買い足し、結果的に約1.6億円の資産を築いた。

スペースXの成長と従業員への恩恵

ウォール・ストリート・ジャーナルは、ロケット技術者からキャンパス内カフェのバリスタまで、さまざまな職種の従業員が100万ドル級の長者になったと報じている。スペースXは創業以来、従業員にストックオプションや制限付き株式を付与しており、上場によってその価値が顕在化した。一方で、株価が公募価格の半値以下との見方もあり、また「労働者へのリスク転嫁」との批判もある。しかし、会社を信じ続けた従業員たちは、その報いを受けた形だ。

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