我が家は生まれながらのauユーザーだ。何かこだわりがあるわけではなく、ヒナが初めて見た者を親だと思うように、携帯を持とうと思った時、家から一番近いのがauだったからだ。その後出会った夫もauユーザーだったため、特に揉めることもなく諾々とauの電波に支配されてきたのだが、先日夫が「UQ mobile」にしたいと言いだした。
UQ mobileは並行世界のガチャピンとムックのCMでお馴染みなauと同じKDDI系列だが、UQの方が安いのでそちらに変えたいという。だがそうした場合、家族割はどうなるのか、そしてネット回線のauひかりはそのままでいいのかなど、不明点が多かったので、後日二人でauの店舗に出向くことになった。
スマホを忘れて契約相談、店員の冷静な対応
しかし、私は店舗についた瞬間、己の「スマホ」を家に忘れていることに気づいた。これは内臓を忘れて病院に来るぐらいの痛恨だが、とりあえず話を聞くことにした。店員はスマホを忘れてスマホの契約相談に来た、キャトルミューティレーション客を見ても臆することなく、私の番号などから契約内容を割り出し、家族割がなくなっても200円程度の差しかなく、私もUQにすれば月2000円の節約が見込め、auひかりはそのままでも問題ないと説明してくれた。
話を聞き、夫はUQに変更、私はauのままにすることにした。店員が若干「お前は変えんのか」という顔をしていた気もするが、まず変えたくてもスマホがないので手も足も出ないのだ。しかし、もしスマホを持っていたとしても変えなかっただろう、理由は「何となく面倒くさい」以外にない。
「面倒くさい」がもたらす金銭的損失
面倒くさいと言っても、同系列内で契約を変えるだけなので30分もあれば済む、それで月2000円も浮くなら安いものではないか。だがそれは逆であり、たかだか2000円程度で私の「面倒くさい」という感情が動くと思われたというなら「安くみられたもの」なのである。こうして私は2000円節約の機会を損失したし、なんなら家族割がなくなったことにより200円損することとなった。
このように「面倒くさい」が引き起こす金銭的損失は計り知れないのだが、逆に言うと、面倒さえ厭わなければ得することも多く、携帯電話料金などは特にそうなのだろう。キャリアを変更しても携帯番号を変更しなくてよくなって以来、安さや使い勝手の良さを求め、頻繁なキャリア変更を厭わない人もいるそうだ。
キャリア間の顧客争奪戦、povoが楽天の隙を突く
そんなわけで、2000円では眉どころか指毛もそよがない客は無視して、ちょっとでも他社の方がいいと思ったら移ってしまう小悪魔バンビーナを各社が取り合っている状況である。他社より魅力的なプランを出すだけではなく、時には他社の「隙」をつくこともいとわないようだ。
先日KDDIの料金プラン「povo2.0」の公式Xが「povoはau回線で快適につながります。最近、急に商業施設でスマホが繋がらなくなった? そんな方におススメです!」という投稿をしたそうだ。何の変哲もない宣伝投稿のようにも見えるが、「急に商業施設でスマホがつながらなくなった?」の部分に強いメッセージ性が隠されている、という。「イオソのことか?」と思ったが、携帯会社がいきなり流通グループに喧嘩を売る意味がわからない。
povoがメッセージを送ったのはイオソではなく「楽天モバイル」のユーザーだと言われている。楽天モバイルはauの電波ではなく自社の電波を使うことにしたが、そのエリアがまだ十分ではないため「6月になってから繋がりにくくなった」という楽天モバイルユーザーの声が散見されたそうだ。そんな楽天ユーザーに向けて「それは楽天君が悪いね、じゃpovoと繋がろっか?」とNTRを仕掛けているのではないか、ということだ。
コスパより大事なもの、優先順位の決断
確かに、安さより繋がりやすさを重視する人もいるので、繋がりにくさは変更の理由になると思う。しかし今後楽天も繋がりやすくなる可能性もある、それを待てずに変える人はフットワークが軽いを超えて、地に足がついてなさすぎるんじゃないかとすら思うが、地に足が取られ逆冬虫夏草みたいになっている私よりはコスパの良い生活をしていると思う。
しかし我々のいう「面倒くさい」は「時間がもったいない」という意味もある、金も大事だが時間も大事だ。そして中年以降になると、そこに「体力」も入ってくる。若いころは、公共交通機関を使えば1000円以内で着くところでタクシーに5000円かけるのは、たとえ多少の時短になったとしてもムダだと感じるかもしれない。しかし、年を取ると「電車やバスでは生きて帰れない」という局面がやってくるのだ、5000円で命が助かるなら安いものなのである。金は大事だが、一番大事ではない、優先順位を間違えないように選んでほしい。



