楽天のモバイル事業、2025年に単月黒字化へ──三木谷社長が語る戦略
楽天モバイル、2025年単月黒字化へ

楽天グループのモバイル事業が、2025年中に単月での黒字化を達成する見通しとなった。三木谷浩史会長兼社長が東京都内で開かれた決算説明会で明らかにした。同事業はこれまで巨額の設備投資が響き、赤字が続いていたが、ネットワークの完成度向上と法人需要の開拓により、収益構造の転換点を迎えつつある。

人口カバー率99%超のネットワーク完成

楽天モバイルは、自社回線の人口カバー率を2024年末までに99%超に引き上げる計画だ。これにより、これまで課題となっていたエリア品質が改善し、顧客離れの防止と新規契約の獲得が期待される。三木谷氏は「ネットワークの品質が競争力の源泉となる」と述べ、インフラ投資の成果が収益に結びつくフェーズに入ったとの認識を示した。

2023年12月期のモバイル事業の売上高は前年比約1.5倍の約4000億円に拡大。契約数は約600万件に達し、特にデータ通信専用プラン「Rakuten最強プラン」が牽引役となった。ただし、設備投資の償却負担が重く、同事業の営業損益は依然として約2000億円の赤字となっている。

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法人需要の取り込みが鍵

赤字縮小のカギを握るのが法人市場の開拓だ。楽天モバイルは2024年から、法人向けに自社回線を活用した通信サービスを本格展開する。既に複数の大手企業と契約を締結しており、三木谷氏は「法人は解約率が低く、長期的な収益基盤となる」と期待を寄せる。加えて、楽天グループ全体のシナジーとして、楽天市場や楽天カードとの連携によるクロスセルも推進する。

2025年の単月黒字化へ道筋

三木谷氏は「2025年中に単月での営業黒字化を達成する」と明言。具体的な時期については言及を避けたものの、ネットワーク完成によるコスト削減と、法人需要の拡大による売上増加が寄与する見通しだ。アナリストの間では、楽天モバイルの単月黒字化は2025年後半になるとの見方が多い。

一方、競争環境は厳しさを増している。NTTドコモやKDDI、ソフトバンクが低価格プランを投入しており、楽天モバイルは差別化戦略を迫られる。三木谷氏は「当社の強みは完全オンラインの低コスト体質と、楽天経済圏との連携だ」と強調した。

楽天グループ全体の業績は改善傾向

モバイル事業の赤字が続く中でも、楽天グループ全体の業績は改善傾向にある。2023年12月期の連結営業損益は、モバイル事業の赤字が膨らんだ前年から縮小し、約1500億円の赤字にとどまる見通し。金融事業やEC事業が堅調に推移している。三木谷氏は「モバイル事業の黒字化がグループ全体の収益成長の起爆剤になる」と語った。

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