PayPay「100億円キャンペーン」の驚愕の舞台裏
LINEヤフー(現LINEヤフー)の会長を退任した川邊健太郎氏が、自身初の著書『7つの激変——いかがわしい者たちが主役の「インターネット産業」30年史』で、PayPay誕生の知られざるドラマを明かした。同書に収録が見送られた原稿を再編集し、日本のキャッシュレス市場の覇権争いと、社会現象を巻き起こした「100億円あげちゃうキャンペーン」の舞台裏を前後編で届ける。
「辺境の小国」が頂点に立つための奇策
川邊氏は、学生起業した1995年から30年にわたり、インターネット産業のど真ん中で目撃してきた興奮と狂気の歴史を、「検索・SNS・動画・通販・広告・文化・起業」の7つのテーマで語り尽くす。その中で、PayPayが後発として日本のキャッシュレス市場に挑む際に打ち出したのが「100億円あげちゃうキャンペーン」だった。「辺境の小国が強大な大国に戦いを挑む——歴史を振り返れば、その多くは玉砕覚悟の無謀な戦いです。しかし、時には常識外れの『奇策』によって、歴史が大きく動くことがあります」と川邊氏は振り返る。
孫正義氏の「狂気」:200%還元の衝撃
キャンペーン立案時、ソフトバンクグループ会長の孫正義氏は、社内で「8%?どうせなら200%くらい出せないの?」と発言。さらに、ある会議で孫氏の足がぴたりと止まり、「上等だよ。どっちかが潰れるまでやってやるよ」と言い放ったという。この「狂気」とも言える姿勢が、PayPayの大胆な施策を後押しした。川邊氏は「既存市場をディスラプトするのは『狂気』だ」と強調し、結果的にPayPayは日本のキャッシュレス元年を象徴する存在となった。
後発ゆえの苦悩とキャンペーン決定
PayPay社内では、後発である以上、まずはユーザーに一度使ってもらうことが不可欠だと議論を重ねた。その末に、第1弾のポイント還元キャンペーンとして「100億円あげちゃうキャンペーン」を決定。この奇策が社会現象を巻き起こし、時価総額約2兆円の企業へと成長する原動力となった。
川邊氏が語る「7つの激変」とインターネット30年史
川邊氏は同書で、自身が体験したインターネット産業の激変を7つのテーマで解説。PayPayのエピソードはその一部であり、日本のキャッシュレス市場の覇権争いが、いかに「いかがわしい者たち」の狂気によって動かされたかを示している。



