サムスン電子ジャパンは、折りたたみスマートフォンの新製品「Galaxy Z Fold 8 Ultra」「Galaxy Z Fold 8」「Galaxy Z Flip 8」の3モデルを、8月7日に国内の主要キャリア4社、各ECショップ、家電量販店、サムスンオンラインショップで発売する。
予想を覆す3モデル展開
例年通りFoldとFlipが同時にリニューアルされると思われていたが、今回は従来のFoldシリーズの後継が「Fold 8 Ultra」となり、新たに無印の「Fold 8」が加わった。Flipは「Flip 8」として登場し、合わせて3モデル構成となった。製品のナンバリングからも、今年が8世代目となる折りたたみスマホの年であることが分かる。
サムスンの消費者調査によると、52%のユーザーがバー型スマホへの不満から次回は折りたたみスマホを検討しているという。同社はこれを機に折りたたみスマホが主流になると宣言し、「『折りたたみ』を選ぶかどうかではなく『どの折りたたみ』にするか」というメッセージで市場をリードする方針を示している。
軽量・薄型の無印Fold 8が際立つ
3モデルとも完成度は高いが、特に新しく追加された無印Fold 8が異彩を放つ。重量は201gで、Ultraの215gより14g軽い。閉じた状態のサブディスプレイは5.5インチ、開いた状態のメインディスプレイは7.6インチ。Ultraより小ぶりで、折りたたみスマホの特別感をあまり感じさせない。
折りたたみスマホでありながら特別な道具に感じないというのは、褒めているつもりだ。そのカジュアルさが魅力で、気負わずに使える。開いたときの薄さは4.5mmで、これはAppleの薄型モデル「iPhone Air」に匹敵する。ちなみにFold 8 Ultraを開いたときの厚みは4.1mmだが、重量が軽いため、Fold 8のほうが数値以上に薄く感じられるという。
開いたときの画面の縦横比は4:3、閉じたときは10:16で、スマートデバイスの王道を行くアスペクト比だ。このモデルの登場は、今年の折りたたみシーンの台風の目になりそうだ。また、iPhoneユーザーが機種変更で新しいGalaxyを選ぶ際の障壁を完全に撤廃したとしている。
複数のAIが共存する「Galaxy AI」
気になるAI機能について、メーカーからの貸し出し機を使うと、システム内に3つのAIが共存していることに気づく。ひとつはサムスン独自のBixby、もうひとつは今後協業していくとされるPerplexity、そしてGoogleのGeminiだ。例えばボイスウェイクアップでは、BixbyとPerplexityの両方を有効にしておき、「Bixby」や「Perplexity」と発話して呼び出せる。ただし、これらは総称して「Galaxy AI」と呼ばれており、ややこしさもある。Android端末なので、電源ボタンの長押しで登場するのはGeminiだ。
サムスンは「どの折りたたみ?」を選ぶのと同様に、AIも「どのAI?」とユーザーにエージェントを選ばせようとしているのだろうか。ただ、提供されているAI機能の多くはBixbyによるもので、オンデバイスでのセキュアな処理を含め、画面内容を読み取って先回りで案内・提案する「Now nudge」や、通話、入力、ノート、文字起こし、ウェブ、フォトなどの作業を支援する各種アシストを司るのはBixbyだ。
しかし、ユーザーが自分がどのAIを使っているのか戸惑いがちなので、もう少し整理して使わせるべきだろう。ここは重要な課題だ。Perplexityとの提携は2026年2月に発表され、現時点で半年が経過しているが、詳細はまだ明らかになっていない。一説には、Bixbyのバックエンドになってリアルタイムの回答精度が格段に向上するとのことだったが、今後の展開が注目される。
サムスンはひとつのAIに縛られず、複数のAIアシスタントをひとつのデバイスで自由に使い分けるマルチエージェント戦略を打ち出そうとしている。それならば、Bixbyをフロントエンドにしたまま、エージェントとしてPerplexityにルーティングされるだけでもよさそうなものだ。OSレベルで統合されるPerplexityが、折りたたみスマホという新しい方向性の中でどのように機能していくのか、気になるところだ。
3種類の新しい折りたたみスマホを短期間で試してみたが、どれが自分に向いているのかを決めることはできなかった。やはり迷う。「どの折りたたみ?」という迷いに幸せを感じる。



