英Nothing傘下のブランド「CMF」は、2026年内に新型スマートフォンを発売しない決定を下した。Nothing共同創業者のAkis Evangelidis氏が6月18日、X(旧Twitter)への投稿で明らかにした。理由は、メモリ価格の高騰により、CMFが想定する価格帯で、前モデルからの明確な進化を感じられる新型機を提供することが難しくなったためだ。
CMF Phone 2 Pro後継機の開発断念
Evangelidis氏は投稿の中で、CMF Phone 2 Proの後継機の開発に取り組んでいたことを認めている。しかし、現在のメモリ価格では、CMFが目指す手頃な価格帯で「真の進歩と感じられるスマートフォンを作ることはできない」と判断したと説明。「自分たちが誇れない製品を出すよりも、率直に伝える方を選んだ」と述べた。
CMFはNothingが展開するサブブランドで、比較的手に取りやすい価格帯の製品を中心に展開してきた。CMF Phone 2 Proは、同ブランドのスマートフォンとして価格と機能のバランスを重視したモデルであり、MKBHDのSmartphone Awards 2025で「Best Value Phone of the Year」に選ばれている。
新製品計画は継続、Nothing本体の新スマホも示唆
CMFブランドからの新型スマートフォン投入は見送られるものの、新製品の発表自体が止まるわけではない。Evangelidis氏は、CMFとして複数の新製品を発売する予定で、新カテゴリーの製品も用意していると明らかにした。さらに、Nothing本体についても「スマートフォンのローンチシーズンはまだ終わっていない」とし、年内にNothingブランドのスマートフォンが発表される可能性を示唆した。
メモリ価格高騰の現状と今後の値上げ予想
ただし、Nothing製品では今後、値上げが行われる可能性がある。NothingのCEO兼共同創業者であるCarl Pei氏は6月11日のX投稿で、メモリ価格をめぐる厳しい現状認識を示していた。同氏によれば、スマートフォンにおいてメモリは現在、プロセッサーやディスプレイを上回り、最も高価な部品となっている。機種によってはハードウェア原価の50%超を占めるという。
Nothingの中価格帯モデル「Phone (4a)」では、製品化を決定した時点から発売までの間にメモリコストが2倍に上昇し、発売後さらに2倍になったとしている。Pei氏はまた、2026年2月以降に発売された新型機が前世代機より最大100ドル高い水準で投入されているケースを指摘した上で、スマートフォン価格は2027年にかけて上昇基調が継続するとの見通しを示した。
メモリ不足の影響と割引の限定的見通し
また、メモリ不足の局面では、メーカーが必要量を自由に調達できるわけではなく、割り当てられた数量をその時点の市場価格で受け取る形になるとも同氏は述べた。そのため、セール時期に大幅な値引きが期待できるという従来の前提は通用しにくく、今年は割引が限定的になるとの見通しを示している。



