7月28日にデビューしたBYD「ラッコ」。発表直後からさまざまな評判が飛び交うが、実際に乗ってみなければ価値はわからない。8月3日から5日まで富士スピードウェイ周辺で開催されたメディア向け試乗会に参加し、その印象を報告する。
軽自動車規格のEV専用設計
ラッコは、海外メーカー初の日本の軽自動車規格専用設計のEV。全長3,395mm、全幅1,475mm、全高1,800mmで、スーパーハイトワゴンそのもののサイズ感だ。外観は無国籍ですっきりとしたデザインで、ブランドロゴを外しても違和感がない。
モーターは最高出力47kW、最大トルク160Nm。BYDのEV専用プラットフォーム「e-Platform 3.0」をベースに、LFPバッテリーを車体構造に組み込む「CTB」技術と、軽自動車専用の統合ユニット「X-PACK」を採用。ボディの約70%に高強度鋼板を用い、J-NCAPで最高レベルを目指した。
グレードと価格
グレードは、航続210kmの「200」(214.5万円)、320kmの「300Plus」(239.8万円)、最上級の「300Premium」(249.7万円)の3種類。CEV補助金は一律15万円。
試乗車は最上級の300Premium(チーズイエロー)。走り出すと、車体の剛性感がしっかり伝わり、軽自動車のレベルを超えた登録車並みのフィーリングだ。モーター出力は軽自動車レベルで、加速は静かで普通。ただし、どっしりとした安定感がある。
インテリアと機能
インテリアはシンプルで上質。物理ボタンが多く、使いやすい。300Premiumは合皮シート(ブラック&ベージュ)、電動シート調整、チルト&テレスコピックステアリングを装備。
リアシートは前後スライドやチップアップ格納が可能で、N-BOXも驚くレベルの多才さ。後席用トレーや傘置き、幼児置き去り検知、挟み込み防止機能付きドアウインドウなどの安全装備も備える。
便利なのは、左右電動スライドドアのハンズフリー機能。キーを持って近づくと地面にLEDマークが投射され、それを踏むだけでドアが開く。キック式より失敗が少ない。
気になる点と今後の展開
標準タイヤは中国サイルン社製で、路面情報が薄くやや硬い印象。荒れた路面ではステアリングセンターが緩く感じた。試乗後の担当者もタイヤ選びに苦労したと語っていた。
販売は好調なスタートを切ったが、日本の軽ユーザーは近所のディーラーとの結びつきが強く、遠くのBYD店舗まで足を運ぶかは未知数。個人的には、カスタムバージョンや軽トラ、オープンバージョンの登場に期待したい。BYDは年間1万台の販売を目標としている。



