「うるう秒」が廃止される見通しとなった。地球の自転と原子時計の時刻とのずれを解消するために1972年に導入され、半世紀で27回挿入されてきたが、近年はコンピューターの誤動作や金融取引でのトラブルが懸念され、見直しを求める声が高まっていた。かわりに「うるう時」を導入し、1時間までのずれを許容する。少なくとも数百年は時間を調整しなくてよさそうだ。
10月の国際度量衡総会で正式決定へ
10月13~15日にフランスで開かれる国際度量衡総会で正式に決まる。
時間はもともと、地球が自転する長さから決められていた。だが、天体を詳しく観測した結果、自転は少しずつ遅くなっていることが判明する。
月の引力を受けて潮が満ち引きするとき、海水の流れが海底や海峡などの抵抗でエネルギーが失われるためで、1日の長さは100年で1千分の1秒くらいのペースで長くなっていた。
原子時計への移行とうるう秒の歴史
時間の基準としては、地球の自転はあてにならないとされ、超高精度な原子時計が登場したこともあり、67年の総会で、時間は原子時計で決めることになった。地球の自転とのずれは、うるう秒を入れて調整することにした。
それ以降、うるう秒は1月1日か7月1日の午前8時59分59秒のあとに59分60秒を入れる形で計27回挿入されてきた。しかし、インターネットが普及すると、うるう秒が原因の通信障害や金融取引のトラブルが起き始めた。
さらに、近年は地球の自転がなぜか速まっていて、うるう秒を引かないといけない可能性も生じていた。マイナスのうるう秒は過去に例がなく、コンピューターが日付を誤認するとされた「西暦2000年問題」を超える混乱が予想された。
「うるう時」提案で各国の理解が進む
これまでの総会で、地球の自転とのずれを1秒でなく、100秒まで許容する案などが出たが、合意は得られなかった。その後、いっそ3600秒まで許容する「うるう時」が提案されると、各国の理解が急激に進んだという。1時間ずらすのは、夏時間でよく経験しているからとみられる。
国際度量衡総会に出席する産業技術総合研究所の臼田孝・計量標準総合センター長は「ネット時代に、うるう秒は大きなリスクになっていた。廃止に向け、総会で各国が最終合意できることを期待している」と語った。



