宇宙航空研究開発機構(JAXA)は11日、秋田県の能代ロケット実験場で再使用ロケットの飛行試験を実施し、小型実験機「RV-X」を高度約11メートルまで上昇させた後、着陸させることに成功したと発表した。今回の成果は、将来の基幹ロケット再使用化に向けた重要な一歩と位置づけられる。
試験の詳細と成果
RV-Xは全長約7.3メートル、直径約1.8メートル、重さ約3.1トンで、エンジンの推進薬には液体酸素と水素を使用する。これまで地上燃焼試験でエンジンの高頻度繰り返し使用が可能であることを確認しており、今回が初飛行となった。
11日の試験では、機体は高度約11メートルまで上昇した後、水平方向に約16メートル移動。離陸から約40秒後に4本の脚で着陸した。JAXAは、この飛行で得られたデータを基に、次段階の大型実験機「CALLISTO」(全長約13.5メートル、日仏独共同開発)に反映し、再使用の実現性をさらに検討する方針だ。
再使用ロケットの意義
現在、日本の基幹ロケット「H3」などは、衛星を軌道に投入した後、機体は回収されず海に廃棄される。一方、世界の打ち上げ数の約半数を占める米スペースXは、第1段機体を回収・再使用しており、低コストで頻繁な打ち上げを実現する標準技術となりつつある。JAXAは今回の試験を、こうした国際競争に対応する国家的な実証と位置づけている。
国内では、ホンダが2025年6月に全長約6.3メートルの実験機を高度約270メートルまで飛ばして着陸させることに成功しているが、RV-Xは基幹ロケットの再使用化を直接視野に入れた点で異なる。JAXAは「今回の試験で得られた知見は、CALLISTOを経て将来の基幹ロケット再使用化に生かされる」と説明している。
今後の展望
JAXAは、今回の飛行データを詳細に解析し、機体の安定性や着陸精度などを評価する。その上で、CALLISTOによるより高い高度からの飛行試験を計画しており、再使用ロケット実用化への道筋を描く。再使用技術の確立は、打ち上げコストの大幅削減と打ち上げ頻度の向上につながり、日本の宇宙開発競争力強化に貢献すると期待される。



