元記者の呂るいマルコさん、神山町にボルダリング施設「のまのま」オープン
元記者の呂るいマルコさん、神山町にボルダリング施設「のまのま」

香港出身で元記者の呂るいマルコさん(40)が、神山町神領本野間でボルダリングとフィットネスを楽しめる施設「のまのま」を経営している。米ブルームバーグ通信やデザイン会社での勤務を経て、2025年に神奈川県鎌倉市から家族4人で同町に移住した。体を動かすことを通して、人が出会い、自然とコミュニケーションが生まれる温かい場所づくりを目指している。

メディア業界から神山町へ

呂さんは香港大でメディア論を学び、卒業後に香港の経済新聞社やブルームバーグで働いた。2012年に当時のパートナーで同僚だった女性の影響で、東京支局へ転勤した。

「香港大に新聞について学べる新しい学科ができると聞いて入学したことがメディアで働いたきっかけです。日本では友人をつくりたくて、香港でも通っていたボルダリングのジムに通いました。ボルダリングは愛好家同士の距離が縮まる点でも魅力を感じていました」と話す。

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ケニアでの銃撃事件が転機に

2013年、スポーツの大会に出場するために訪れていたアフリカ・ケニアで、武装組織の銃撃事件に遭遇し、自身の生き方に疑問を持ち始めた。

「ショッピングモールのカフェで仕事をしていると、急に爆発音がしました。近くで銃声が響き、客が一斉に逃げ出したのです。この事件で約70人以上が亡くなったことを後から知りました。誰かを助けることができたのではないかと自分を責めてしまう時期がありました」

そこから自分の存在価値を考えるようになり、何のために働いているのかと悩み続けた。自分も楽しみながら人の役に立つ仕事をしたいという結論にたどり着いた。

「のまのま」の開業と今後の展望

メディア業界を離れ、東京のデザイン会社で働いていた2021年、仕事で神山町を訪れたことをきっかけに2025年に移住した。

「最初は神山の町づくりを調査するために来ました。小さな町に様々な背景を持つ移住者が集まっていて、驚いたのと同時に住んだら楽しそうだと思いました。そんな町に人が交流できてワクワクする場所を作りたいと選んだのが、以前から魅力を感じていたボルダリングジムでした」

今年5月に「のまのま」をオープンした。パーソナルトレーナーの妻・沙友美さんが指導するフィットネスジムも併設する。

施設は空き家だった古民家の倉庫を改修して作った。ボルダリングの壁は高さ4メートル、幅9メートル。施設名は住所の「本野間」から取って、人が集まる「間」にしたいという思いを込めた。

「ボルダリングやジムはあくまで手段で、世代や性別関係なく集まって、体を動かしながら自然に声をかけ合って交流できる場になればうれしいです。今後は林業にも挑戦してみたい。いつでも自分が『面白い』と感じた方向に進んでいきたい」と話している。

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