青森県藤崎町、閉校跡地で県内初のアクアポニックス複合施設を開設
青森県藤崎町、閉校跡地で県内初のアクアポニックス複合施設

青森県藤崎町は、県内で初めて魚の養殖と野菜の水耕栽培を組み合わせた循環型農業「アクアポニックス」に取り組んでいる。閉校になった学校の跡地を活用し、アクアポニックスで収穫した野菜を提供するカフェや公園で構成される複合交流施設「ふじさきアクアポニックスタウン」をオープンさせた。同町では、アクアポニックス農法を通して障害者の働く場の確保とともに、食の大切さを学ぶ機会の創出につなげたいとしている。

環境に優しい循環型の農法

アクアポニックスでは、水槽で養殖している魚の糞や餌の残りといった有機物をバクテリアが植物の栄養素に分解し、それを養分として植物が成長する。植物が天然の浄化装置の役目を果たし、きれいな水が再び水槽に戻るという循環型の農法だ。水槽の水の入れ替えや、農薬や化学肥料を必要とせず、環境に優しい農法とされている。さらに、気候や季節にもあまり左右されない栽培方法としても知られる。

同町は平成31年3月に閉校した旧弘前実業高藤崎校舎を利活用する手段として、アクアポニックスに着目。アクアポニックス事業を行っている「アクポニ」(本社・横浜市)と令和6年8月にアドバイザリー契約を締結し、アクアポニックスを軸とした複合施設整備に向けて準備を進めてきた。昨年9月から旧校舎の裏にあったガラス温室を「アクポニ農園」、果樹貯蔵庫を「アクポニカフェ」として改修工事に着手。敷地の一部を公園として整備し、今年3月にふじさきアクアポニックスタウンが完成した。

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カフェと農園を公園で結ぶ

カフェと農園の間を公園でつなぎ、全体の統一感を持たせたといい、公園にはリンゴをかたどったオブジェが随所に配置され、リンゴ生産が盛んな土地柄をPRしている。総事業費は約2億9400万円。

アクポニ農園では、水槽にニシキゴイと金魚が飼育され、有機物の濾過装置とバクテリア培養設備、育苗施設を整備した。栽培しているハーブや葉物野菜5種類はアクポニカフェで提供される。

農福連携の推進

同町はリンゴの品種「ふじ」の発祥地で、リンゴのほかコメ、アスパラガスの産地だが、農業の担い手不足が課題。農業と福祉が協力し、障害者と高齢者が農業分野で活躍できる「農福連携」を推進しており、同施設は、障害福祉業務を行っている同県弘前市のNPO法人が運営、管理する。障害者が野菜栽培などを担っており、雇用の確保に一役買っている。

今後、小中学生らに農業、食の大切さを学んでもらう場所として活用していく方針。農業が基幹産業の同町にとってアクアポニックスは、訴求力のある農業の確立などの観点から期待が大きい。同町の担当者は「持続可能な農法として注目されているアクアポニックスを基軸に、1次産業の活性化と教育、さらには誘客促進を図り、町の活性化を推進していきたい」と話す。

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