台湾TSMCの熊本工場、2024年12月量産開始へ ソニー・デンソーも出資
台湾TSMC熊本工場、12月量産開始へ ソニー・デンソー出資

台湾の半導体受託製造大手、TSMC(台湾積体電路製造)の熊本工場が、2024年12月に量産を開始する見通しであることが明らかになった。同工場はソニーグループとデンソーが出資し、日本政府も補助金を拠出するなど、官民一体となったプロジェクトとして注目を集めている。

量産開始の背景とスケジュール

TSMCの熊本工場は、2022年4月に着工し、2024年末の量産開始を目指して建設が進められてきた。工場は熊本県菊陽町に位置し、総投資額は約1兆円に上る。ソニーグループとデンソーはそれぞれ数%の出資を行い、日本政府は最大4,820億円の補助金を決定している。

量産開始時期については、TSMCの劉徳音(Mark Liu)会長が2023年6月の株主総会で「2024年末に量産を開始する予定」と述べており、計画通りに進んでいる模様だ。同工場では、22ナノメートルから28ナノメートルのプロセス技術を用いた半導体を生産し、主にイメージセンサーや車載向けなどの需要に対応する。

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日本政府の半導体戦略との連携

日本政府は、経済安全保障の観点から半導体の国内生産基盤強化を重要政策に位置づけており、TSMCの熊本工場はその中核を担う。経済産業省は、同工場への補助金を通じて、最先端半導体の安定供給と国内エコシステムの構築を目指している。

また、TSMCは熊本に続き、第二工場の建設も検討していると報じられている。第二工場では、より先端の6ナノメートルや7ナノメートルのプロセス技術を導入する可能性があり、日本政府も追加支援を検討中とされる。

地域経済への波及効果

熊本工場の稼働は、地域経済にも大きな波及効果をもたらすと期待されている。工場建設に伴い、関連企業の進出や雇用創出が進んでおり、菊陽町周辺では住宅需要の高まりや商業施設の開業が相次いでいる。熊本県は、TSMCの進出を契機に半導体関連産業の集積を促進し、県内の産業構造転換を図る方針だ。

一方で、工場の稼働に伴う水資源の確保や交通渋滞の緩和といった課題も指摘されており、地元自治体は対策を急いでいる。

世界の半導体市場への影響

TSMCの熊本工場稼働は、世界の半導体サプライチェーンにも影響を与える可能性がある。現在、半導体の生産は台湾に集中しており、地政学的リスクが懸念されている。日本での生産拠点拡大は、サプライチェーンの多様化に寄与し、顧客企業にとっては安定調達の選択肢が増えることになる。

TSMCは、熊本工場の成功を踏まえ、さらに米国アリゾナ州やドイツでも工場建設を進めており、グローバルな生産体制の構築を加速している。

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