トヨタ自動車とNTTは、自動運転技術向けのAI半導体を共同開発すると発表した。2028年の実用化を目指し、両社の技術を融合して高性能・低消費電力のチップを開発する。この協業により、自動運転の処理能力を大幅に向上させ、安全性と効率性を高めることが期待される。
協業の背景と目的
自動運転技術の進化に伴い、車載AI半導体の重要性が増している。トヨタは自動運転システム「Guardian」と「Chauffeur」の開発を進めており、NTTは光電融合技術などの先端半導体技術を有している。両社の強みを組み合わせることで、競争力のある半導体を開発する狙いがある。
NTTは2023年に「IOWN(Innovative Optical and Wireless Network)」構想を発表し、光技術を活用した低消費電力・高速通信の実現を目指している。トヨタは自動運転向けの処理に必要な演算能力を提供するため、NTTの技術を活用する方針だ。
具体的な開発計画
両社は2025年までに試作品を製造し、2028年の実用化を目指す。開発する半導体は、自動運転に必要なセンサー情報の処理や判断をリアルタイムで行うためのAIアクセラレーターとして機能する。消費電力は従来の半導体と比較して30%以上削減される見込みだ。
トヨタのCTOである中嶋裕樹氏は、「NTTの持つ光電融合技術は、自動運転の処理に求められる高速性と低消費電力を両立する上で極めて重要だ」と述べている。NTTのCTOである井上真杉氏も、「自動運転分野での協業は、IOWNの社会実装を加速する」とコメントしている。
業界への影響と今後の展望
この協業は、自動運転半導体市場における競争を激化させることが予想される。現在、自動運転向け半導体では米エヌビディアやインテルが先行しているが、トヨタとNTTの連携により日本勢の巻き返しが期待される。また、両社は開発した半導体をトヨタ車だけでなく、他社にも供給する可能性を示唆している。
自動運転技術の普及には、高性能な半導体が不可欠であり、今回の協業はその基盤を強化するものだ。2028年の実用化に向けて、両社の技術統合が進むことで、自動運転の実現が一歩前進することになる。



