台湾の半導体受託生産大手、力晶積成電子製造(PSMC)が、日本初の工場を宮城県に建設する方針を固めたことが、関係者への取材で明らかになった。2024年に着工し、2026年の稼働を目指す。経済安全保障の観点から、日本政府が建設費用の一部を補助する方向で調整している。
PSMCの日本進出の背景
PSMCは台湾新竹市に本社を置く半導体受託生産会社で、世界第6位の規模を持つ。同社はこれまで日本国内に生産拠点を持っていなかったが、日本政府の半導体産業振興策や、顧客である日本の半導体メーカーからの要請を受け、進出を決めたとみられる。工場では、主に車載用や産業機器向けの半導体を生産する計画で、月産能力は数万枚規模となる見通し。
日本政府の支援策
日本政府は、経済安全保障の観点から半導体の国内生産基盤強化を重要政策に位置づけており、台湾のTSMC(台湾積体電路製造)の熊本県進出に続き、PSMCにも補助金を支出する方針。経済産業省は、半導体の安定供給確保や先端技術の流出防止を目的に、国内への半導体工場建設を積極的に支援している。今回のPSMCの工場建設には、総額約1000億円の投資が見込まれ、そのうち半額程度を国が補助する案が浮上している。
地域経済への影響
工場が建設される宮城県では、雇用創出や関連産業の集積による経済効果が期待されている。県や地元自治体は、工場誘致に向けて用地の確保やインフラ整備を進めており、2024年以降の着工を目指す。一方で、半導体工場は大量の水や電力を消費するため、環境面での影響も懸念されており、地元住民への説明や対策が求められる。
今後の展望
PSMCの日本進出は、台湾の半導体メーカーの日本への投資が加速する兆しと受け止められている。TSMCに続く大手の進出により、日本の半導体産業の競争力強化やサプライチェーンの多様化が進むと期待される。しかし、世界的な半導体需要の変動や、地政学的リスクへの対応も課題となる。日本政府は、PSMCへの支援を通じて、半導体の安定供給と技術基盤の維持を図る方針だ。



