ソニーグループは、次世代電気自動車(EV)向け半導体の生産を強化するため、国内に新工場を建設する方針を固めた。関係者によると、2028年の稼働を目指し、投資額は約5000億円に上る見通しだ。新工場では、車載カメラやセンサー向けのイメージセンサーを中心に生産する計画で、自動運転技術の進展に対応する。
背景と狙い
世界的なEVシフトの加速に伴い、車載半導体の需要は急増している。特に、自動運転に不可欠な高性能イメージセンサーの需要は高く、ソニーは同分野で世界トップクラスのシェアを持つ。新工場の建設により、供給能力を現在の1.5倍に引き上げることを目指す。
ソニーはこれまで、スマートフォン向けイメージセンサーで高い収益を上げてきたが、車載向けも成長分野と位置付けている。今回の新工場は、車載向け専用としては最大規模となる見込みだ。
投資と立地
投資額約5000億円のうち、一部は経済産業省の補助金を活用する方向で調整している。立地については、既存の半導体工場がある熊本県や大分県が候補に上がっているが、最終決定はこれからだ。
ソニーは2023年にも、熊本県にTSMCと共同で半導体工場を建設する計画を発表している。今回の新工場はソニー単独での投資となり、EV向けに特化した生産ラインを構築する。
業界への影響
ソニーの積極投資は、日本の半導体産業復活の象徴とも言える。政府も半導体の国内生産強化を掲げており、補助金を通じて支援する方針だ。一方で、世界の半導体市場では、韓国サムスンや台湾TSMCなどとの競争が激化しており、ソニーは差別化を図る必要がある。
業界関係者は「ソニーはイメージセンサーで高い技術力を持つが、EV向けでは価格競争も激しい。いかにコストを抑えつつ、高品質な製品を供給できるかが鍵になる」と指摘する。
ソニーは2025年度までに、車載向け半導体事業の売上高を現在の2倍にする目標を掲げており、新工場はその達成に大きく貢献する見通しだ。



