サムスン電子とSKハイニックス、AIデータセンター向けメモリー需要で過去最高益-営業益19倍・6.5倍
サムスン電子とSKハイニックス、AIデータセンター向けメモリー需要で過去最高益

サムスン電子とSKハイニックスの2026年4~6月期決算は、いずれも営業利益が過去最高を記録した。サムスンは前年同期比19.1倍の89.5兆ウォン(約10.1兆円)、SKハイニックスは6.5倍の60.5兆ウォン(約6.8兆円)となった。両社ともAIデータセンター向けメモリー半導体の需要拡大が業績を押し上げた。

好調の背景:AIデータセンター向け需要拡大

調査会社トレンドフォースによると、データを短期的に記録するメモリー半導体「DRAM」と、長期保存を担うNAND型フラッシュメモリーの4~6月期の価格は、いずれも前四半期から5~6割程度上昇している。サムスン電子のメモリー事業担当、キム・ジェジュン副社長は決算説明会で「需要拡大が増産ペースを上回っている」と好環境を強調した。

官民一体の大型投資競争

韓国の李在明大統領は6月29日に官民投資計画を発表し、「大規模な新規投資を通じ、圧倒的な供給能力を事前に確保しなければならない」と述べた。計画では、総額800兆ウォン(約91兆円)を投じ、サムスンとSKの半導体工場を計4か所新設することなどが示された。

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米大手マイクロン・テクノロジーは7月9日、米国内での増産などに2500億ドル(約41兆円)を投じる計画を発表。日本のNAND専業メーカー、キオクシアホールディングスも同3日、岩手県の北上工場で第3製造棟の新設を検討する方針を示した。

中国勢の台頭と市場リスク

こうした動きに対抗するのが中国勢だ。DRAMを生産する中国の長鑫存儲技術(CXMT)や、NANDを手がける長江存儲科技(YMTC)などがシェアを伸ばしている。CXMTの親会社は7月27日、上海の新興企業向け市場に株式を上場し、1.4兆円を調達した。資金は生産能力の増強に充てるとしている。

同社の上場や、中国の国有企業が半導体装置の生産を開始したというニュースを受け、韓国の半導体関連株は急落した。時価総額の半分以上をサムスンとSKが占める株価指数「韓国総合株価指数(KOSPI)」は28日、前日の終値から約1割落ち込んだ。

メモリー半導体市場には、「シリコンサイクル」と呼ばれる3~4年周期の好不況の波が訪れる。好況にブレーキがかかれば、市場拡大を見込んだ積極投資が「過剰投資」となり、各社の経営を圧迫する可能性もある。

伊藤忠総研の小林泰斗副主任研究員は「技術的な優位を保つためには、研究や開発への投資は欠かせない。日本の過去の官民連携には失敗例もあるが、企業が苦しい時は政府が支え、投資を後押しすることが重要だ」と指摘する。

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