2023年1月に昭和電工と旧日立化成が経営統合して誕生したレゾナック・ホールディングスは、従来の総合化学メーカーから半導体材料に特化した企業への脱皮を急ピッチで進めている。2022年から一連の改革を率いる髙橋秀仁社長は、生成AIブームで沸く半導体業界の中で、同社の大胆な転身に自信を見せる。
後工程の機能性材料で圧倒的優位
「どや顔で最近言っているのだが、ここから5年は負ける気がしない」と髙橋社長は語る。その強みは、半導体の後工程における機能性材料の圧倒的なポートフォリオにある。半導体業界の主要プレーヤーはそれぞれ5年先までのロードマップを持っており、レゾナックは世界中のキープレーヤーの情報が直接集まるポジションを占めている。これにより、他社とは情報の解像度や確度がまったく違うという。
研究開発費は絶対に削減しない
ただし、得意とする後工程の材料開発は一種の自転車操業でもある。開発競争で他社に一歩でも後れを取れば、すべてのシェアを失いかねない。だからこそ、研究開発費をはじめとするリソースだけは絶対に削減しないように指示していると髙橋社長は強調する。
半導体事業比率を2030年度に50%へ
同社は2025年度時点で半導体・電子材料事業の売上高比率を38%としているが、2030年度までに50%へ引き上げる目標を掲げている。進捗について髙橋社長は「順調」と述べ、半導体材料への注力と親和性の薄い事業の再編を加速させている。
収益性向上の課題
一方で、顧客である半導体メーカーが巨額の利益を上げるのに対し、半導体材料メーカーの利益率は爆発的には伸びていない。技術革新が速く、複数購買の圧力もある中で、収益性をどのように高めるのか。髙橋社長は「メモリーメーカーは市況変動が激しく、需給逼迫時に価格を引き上げて利ザヤを稼ぐ。これは石油化学事業と同じ仕組みだ」と指摘する。
機会損失防止が最優先
髙橋社長は「機会損失の防止が最優先」と語り、成長機会を逃さない経営を徹底する方針だ。17もの事業を売却して「半導体銘柄」へ転身した成算について、同社の戦略は今後も注目を集めそうだ。



