日本の半導体産業、官民連携で復活へ-経済産業省が新戦略発表
半導体産業復活へ官民連携戦略

経済産業省は2026年7月11日、官民連携による半導体産業復活戦略を正式に発表した。国内の半導体生産能力を2030年までに現在の3倍に引き上げる目標を掲げ、官民合わせて総額5兆円の投資計画を明らかにした。この戦略は、世界的な半導体需給逼迫や地政学的リスクを背景に、経済安全保障上の重要課題として策定された。

戦略の背景と目標

半導体は、自動車や家電、AI、5Gなど幅広い産業に不可欠な基盤部品。近年、台湾や韓国への依存度が高まり、供給途絶リスクが顕在化している。経済産業省の担当者は「半導体の安定供給は国家の安全保障に関わる。官民一体で国内生産基盤を強化する必要がある」と強調した。

具体的な目標として、先端ロジック半導体の国産化率を現在の5%から2030年には20%に引き上げる。また、パワー半導体やアナログ半導体など、自動車や産業機器向けの分野でもシェア拡大を目指す。

Pickt横長バナー — Telegram用の共同買い物リストアプリ

投資計画と支援策

総額5兆円の投資のうち、政府は1.5兆円を直接支援し、残り3.5兆円は民間投資を想定。政府支援の内訳は、工場建設補助金に1兆円、研究開発支援に3000億円、人材育成に2000億円を計上。特に、2ナノメートル世代以降の先端プロセス技術開発に重点を置く。

さらに、税制優遇措置として、半導体工場の設備投資に対する法人税控除を拡充。また、重要技術の流出防止を目的に、外国企業による買収審査の厳格化も盛り込まれた。

産業界の反応

業界団体である電子情報技術産業協会(JEITA)は「長期的なビジョンを示した点を評価する。持続可能なエコシステム構築に向け、産学官の連携をさらに深めたい」と歓迎するコメントを発表。

一方、半導体メーカーの幹部は「補助金だけでなく、安定的な電力供給や人材確保が課題。政府にはインフラ整備や教育制度改革も求めたい」と指摘した。

国際競争と今後の課題

世界的には、米国や欧州連合(EU)も半導体補助金制度を導入しており、国際的な誘致競争が激化。日本は、2023年に設立したラピダス社による北海道千歳市での先端半導体工場建設を皮切りに、九州や東北など各地で新工場計画が進む。

しかし、半導体業界は技術革新のスピードが速く、巨額の投資が必要。専門家は「政府の支援は重要だが、民間企業の競争力強化が不可欠。国際協力も視野に入れた戦略が求められる」と分析している。

Pickt記事後バナー — 家族イラスト付きの共同買い物リストアプリ