EVシフト加速で半導体需要が急拡大、車載用チップ市場は2030年に倍増へ
EVシフトで半導体需要急拡大、車載用チップ市場倍増へ

電気自動車(EV)の世界的な普及を背景に、車載半導体の需要が急拡大している。日本経済新聞の試算によると、車載用ロジック半導体の世界市場は2023年の約5兆円から、2030年には約10兆円と倍増する見通しだ。EV1台に搭載される半導体の数は従来のガソリン車の約2倍に上り、特にパワー半導体やセンサー類の需要が顕著に伸びている。

EV1台当たりの半導体搭載数が急増

調査会社のデータによれば、従来のガソリン車1台に搭載される半導体は約500個だが、EVでは約1000個と倍増する。さらに自動運転機能が加わると、センサーやプロセッサーが追加され、搭載数は1500個を超えるケースもある。このため、半導体メーカー各社はEV向け製品の開発・生産に注力している。

主要メーカーが生産増強に着手

ドイツのインフィニオン・テクノロジーズは、EV向けパワー半導体の生産能力を2026年までに現在の2倍に引き上げる計画を発表。同社の担当者は「EVシフトは不可逆的な流れであり、需要に応えるため積極投資を続ける」と述べている。また、米国のオン・セミコンダクターも、炭化ケイ素(SiC)製パワー半導体の生産拡大に1000億円規模の投資を決定した。

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日本企業の動きも活発化

日本勢では、ルネサス エレクトロニクスがEV向けマイコンやパワー半導体の生産を強化。同社は2023年に約600億円を投じて、那珂工場(茨城県)に新たな生産ラインを設置する。また、東芝もSiCパワー半導体の生産能力を2025年までに3倍に増強する方針だ。経済産業省の担当官は「半導体の安定供給はEV産業の競争力に直結するため、政府としても支援を強化する」と語る。

課題は供給不足と人材確保

一方で、半導体業界は依然として供給不足のリスクを抱える。特に先端プロセスを必要とする車載AIチップは、需要に生産が追いついていない。さらに、半導体エンジニアの不足も深刻で、業界団体の調査では2030年までに日本国内で約4万人の人材が不足すると試算されている。このため、各社は大学との連携や社内教育の強化に乗り出している。

市場拡大は続く見通し

国際エネルギー機関(IEA)の予測では、世界のEV販売台数は2023年の約1400万台から、2030年には4000万台を超える。これに伴い、車載半導体市場の成長は今後も続くとみられる。半導体業界は、EVシフトを追い風に新たな成長局面を迎えている。

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