EVシフト加速で自動車部品大手が半導体内製化、生産安定化へ
EVシフトで部品大手が半導体内製化へ

自動車部品大手のデンソーは、電気自動車(EV)シフトの加速を見据え、半導体の内製化を強化する方針を固めた。2030年までに半導体の生産能力を現在の3倍に引き上げ、車載半導体の安定調達と競争力向上を目指す。同社はこれまで外部調達に依存してきたが、世界的な半導体不足を契機に内製化の重要性が高まっている。

半導体需要の急増と供給リスク

EVには従来のガソリン車に比べて約2倍の半導体が必要とされる。特にパワー半導体やセンサー類の需要が急増しており、デンソーは2025年までに主要なパワー半導体の内製化率を50%に引き上げる目標を掲げる。同社の林宏之社長は「半導体は自動車の頭脳であり、安定供給は経営の根幹に関わる」と述べ、内製化の必要性を強調した。

生産拠点の拡充と技術開発

デンソーは愛知県内の既存工場に加え、新たな生産ラインを建設する計画だ。具体的には、シリコンカーバイド(SiC)基板を用いた次世代パワー半導体の量産技術を確立し、2027年までに市場投入を目指す。SiC半導体は従来のシリコン製に比べて電力損失が低く、EVの航続距離延長に貢献する。

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また、同社はトヨタ自動車や他の部品メーカーとの連携も強化する。トヨタが主導する半導体共同開発プロジェクト「MIRAI」の一環として、車載半導体の設計から製造までを一貫して手掛ける体制を構築中だ。これにより、開発期間の短縮とコスト削減を図る。

業界全体への波及効果

デンソーの内製化戦略は、自動車業界全体に影響を与える可能性がある。半導体の安定供給が実現すれば、EV生産のボトルネック解消につながる。一方で、巨額の投資が必要となるため、他の部品メーカーとの格差が広がる懸念もある。業界関係者は「デンソーの動きは、自動車用半導体のサプライチェーン再編を促すだろう」と分析する。

デンソーは2023年度の半導体関連投資に約1000億円を計上しており、今後も投資を拡大する方針だ。同社の取り組みは、日本の自動車産業の競争力維持に貢献すると期待される。

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